【大紀元日本3月30日】米国防情報紙「ディフェンス・ニュース(Defense News)」最新号は、「最近、中国が行なった偵察衛星撃墜を別な側面から見ると、胡錦涛国家主席は人民解放軍を掌握できていないようである。憂慮すべきなのは、北京の文人政府が軍人を管理できず、日増しに高まる軍人のナショナリズムと反米意識は、軽率に米中間の衝突を誘発したり、戦争を招いてしまったりする可能性がある」と指摘した。
報道は、前米国駐北京武官の話を引用して次のように述べた。「明らかに胡主席と上層部指導者は事前に偵察衛星撃墜の計画を知っていなかった。この根拠は、米国が北京に抗議を表明したあと、北京外交部はだいぶ日数がたってから始めて回答を出したからだ」。米国は中国が偵察衛星撃墜試験を行なってから数日後に中国側に抗議を提出した。北京はすでに言い訳の返答を準備しているはずであるが、少なくとも数日内に返答すべきであるが、北京外交部は機能が停止したように何の反応も出なかった。
返答が遅れたことに関して、台湾の知名な国際問題専門家、元国防部副部長の林中斌氏は、「中国軍は2006年に同じ撃墜を2度も行い、すべて失敗したことから、今度の撃墜も成功する自信がないため、事前に胡錦涛に報告する勇気はなかったのではないか」と分析した。
これに対して、報道は米国の「米中経済及び安全研究委員会」の委員であるワルズ氏の言葉を引用し、「中国の政治体制により、軍隊側は政府に本当の話を言う勇気がない。これは人民解放軍が党に対する忠誠心の問題ではなく、北京の政治体制の処罰規則に問題がある。本当の事を言う者や責任感がある者は、厳しく処罰されるため、各級の指導者は成功事例のみを報告し、失敗事例は伝えず、誤りを隠し、嘘で誤魔化す傾向がある」と述べた。
北京の文人政府が軍隊を掌握できないもう一つの例は、2001年3月31日に起きた米国の偵察機と中国海軍J-8戦闘機が南シナ海上空で衝突した事件である。
当時、アジア太平洋問題を担当する米国の副国務長官補佐の話によると、米中は1998年に軍事海事諮商協議の合意文書に署名し、当時の米国国務長官も直ちにこの合意に従って二国間諮商会議を行って問題を解決することを求めたが、中国の軍側はただこの飛行機衝突事件を利用して米国に圧力をかけたいだけで、中国に対する航空偵察を停止するよう米国に求めた。
その他に、昨年発生した中国の潜水艦が米国のキティホーク航空母艦を追跡した事件は、北京の指導者が軍隊を制御できないもう一つの事例である。追跡することは、明らかな挑発行為である。これに対して、恐らく北京の文人政府及や中央軍事委員会の委員たちも、軍側がキティホーク航空母艦を追跡する命令を下したことを知らなかった可能性がある。
中国の国防予算は、連続10年に2桁の数字で増長している。兵力の強化により、人民解放軍の将校は米軍に対抗する自信が生じてきた。かつ、多くの将校が米軍に対抗するべきだと思っている。自らの地位を高めることになり、人民解放軍の地位も高められると考えているようだ。