【大紀元日本3月31日】四川省自貢市で、政府当局が主導する土地の強制収用で、再び村民と衝突が発生し、暴漢らに襲われた数十人の村民は、多数が負傷した。
ラジオ自由アジアの報道によると、自貢大安区および鳳鵬郷政府関係者、警察、工事関係者ら200人余りの一行は、3月29日早朝、地元大湾村3組にて工事を強行しようとし、老婦が中心となる60数人の村民たちはそれに対して抗議した。工事を止めようとした村民たちは、警察と工事関係者らに暴力を振るわれ、多数が負傷した。
現場にいた村民・頼さんによると、村の多くの婦人が警察と工事関係者らに殴られ、足が腫れ上がったり、胸がうっ血したりしたと語り、また、引っ張られ、引きずられた婦人もいたという。頼さんはこれまでに何度も同じことがあったとし、村民たちの生活保障問題を解決してくれない限り、工事はさせないと訴えた。
また、同様に現場にいた郷人民大会代表の劉遠芬氏は事件当時、省紀委に緊急連絡で電話を入れたが、回答は「分かった」のみだった。劉氏は緊急時に、村民は自らの力で自分を守るしかないと嘆いた。
一方、自貢市の人権活動家・劉正友氏は村民の緊急連絡を受け、午前9時に現場に駆けつけ、当局が強制的に土地収用する証拠写真を撮った。劉氏によると、現場には暴力団関係者もいたという。村民は60人足らず、殆どが50歳以上の婦人で、スクレーパーの稼動を止めるために、86歳最年長の婦人は現場に座り込みをしていたという。
同市の各部門の警察および政府関係者らは、人権活動家の劉氏をよく知っており、同氏が現場に現れたことに対して、今回の強制収用・工事を強行する事実が社会に知られることを意味することから、当局および関係者らは世論を恐れたため、昼頃に引き上げた。
大湾村3組には198人の村民が在住しており、90年代末、地元政府は道路および陸橋の建築を理由に、9・3ヘクタール余りの土地を収用した。しかし、村民に与えられた土地補償金は標準金額より低いものの、1人1万1千元(約16万7200円)だった。さらに、収用された土地の利用は当局が説明した道路および陸橋に使用されたのが約1・9ヘクタールのみだったという。今回は政府当局が工事を強行したが、当局および工事側は土地収用の書類の提出はできないでいるという。
前出の郷人民大会代表・劉氏は何度も人大会議で、大湾村の土地不法収用問題を取り上げたが、上層部の指導者らは重視しすどころか、劉氏を何度も呼び出して、脅かしたりすかしたりして村民の権利主張を止めさせようとした。劉氏はそれに対し、自分は2006年に民衆に選ばれ代表になったことから、民衆のために土地を守ってあげることは、何の法律にも違反していないと主張した。劉氏は自分には十分な理由があることから、上層部からの脅かしには応じないと断固とした決意を示した。