【大紀元日本4月2日】中国広東省深圳市は、同市の18歳以上の住民を対象にした関係部門の共同調査によると、精神病に罹る割合が2割を超えることが分かった。
中国「羊城夕刊」によると、同調査は深圳市の衛生局、公安局、民政局、労働および社会保障局などの関連部門が米ハーバード大学、ミシガン大学、香港中文大学、北京大学などの指導と協力の下、世界的に認められている精神疾病流行病学調査の最新ツールを採用し、抜き取り検査方法にて18歳以上の深圳市住民(永住、一時在住を含む) 7000人余りを対象に調査を行った。
調査結果は、対象の中から、少なくとも1種類の精神疾病に一生に罹る率は21・19%で、短期間(年間)で罹る率は17・29%である。すなわち、全市18歳以上の777・36万人住民の中に、約164・72人は少なくとも1種類の心理的障害に罹ったことがあり、現在、その内の134・41万人が精神疾病に罹っているという。この結果は1996年における同様の調査結果4・33%の4・48倍。さらにその内、戸籍が深圳市以外の人口が精神疾病に罹る率は、戸籍が深圳市である人口より高いとし、女性患者数は男性患者数より高いという。専門家は、ここ数年間国内の他の地域における同様の調査結果に比べても、深圳市の結果がもっとも高いことから、同市の精神衛生状況は深刻であると警告した。
深圳市の住民は何故ここまで多くの心理問題を抱えているのかについて、同市心理専門家は、主な原因として、①「移民都市」のため帰属感に欠けている②深圳市の社会発展に精神的に適応できない③激しい社会競争が精神的重圧になっている④社会的価値観念の変化により感情障害が生じた⑤精神衛生教育の導引および心理的危機予防に欠けている⑥精神カウンセラーの不足などをあげている。
深圳市心理衛生専門家は今回の調査結果の深刻な現状に対し、北京・上海などの大都市の立法経験に鑑み、精神的健康の促進および精神疾病予防、精神疾病の診断および治療、精神疾病の回復、精神疾病患者の権益保障、関連する法的責任などの内容を盛り込んだ精神衛生条例を提案した。同時に、市・区・コミュニティー3位一体の精神衛生医療システムを構築し、精神衛生カウンセリングを医療保険に導入することも同時に提案された。