【大紀元日本4月25日】中国はこのほど、数人の反体制派批判者の出国を許可した。これについて、多くの評論家は、中国当局が来年の北京五輪前に国際社会に軟化姿勢を印象づける策略とみている。実際に、中国国内では多くの反体制派批判者は依然として出入国できないブラック・リストに載っていると指摘した。
このほど、中国当局に許可され、出入国が自由にできた批判者は、任●町(レン・ワンディン)氏、陳小明氏、胡佳氏3人であり。評論家らは、世界にある他の各専制政権と同様に中共当局は批判者に対して、両方面から制御している。すなわち、入国したい人に対して、入国させず、出国したい人は出国させないことである。それ故、中共当局に許可され、中国へ相次いで入国した記者や批判者や人に対して、関心が寄せられている。(●は田偏の右に宛)
*反体制派記者・劉賓氏、中国への帰国は実現せず
少し前に、中国反体制派記者で中国共産党党員の劉賓氏は80歳代という高齢だったが、癌をわずらったことから中共当局宛てに故郷へ戻り、余生を過ごしたい旨の手紙を米国から送った。中共指導者は劉氏が2005年12月に米国で亡くなった後も、何の返事もなかったという。これに対して、中国国内外では冷酷で人間性を失ったやり方だと中共当局を非難した。
*中国作家:穏和な軟化姿勢の雰囲気作り、国際社会にアピール
反体制派の胡佳氏などが中国当局に出国を許可されたことに対して、今でも依然と出国できない中国作家の趙達功氏は「胡佳、陳子明、任●町の3人は共に北京地域内の住民だ。北京は中国の政治・文化中心であり、来年は北京五輪が開催されるし、秋には中共第十七大会議が開かれる。当局は北京で雰囲気作りをし、国際社会に対してアピールしたいだけだ。中国人に見せたいのではない」と指摘した。
*作家の出国は国家安全を脅かすのか
趙氏は自らの経験および他に多く自由に出入国する権利を剥奪された批判者たちのケースを分析し、中共当局は公民の出入国問題においての規則はなく、ましてや人間性に言及するものでもないと結論付けた。趙氏は、中共当局は実際、自ら批准した国際人権規約に反しており、自分が出入国を許可されない理由についての説明も拒否されたと非難した。
一方、北京在住の反体制派で作家の劉暁波氏は、少し前の取材で、中共当局は自分の出国申請が却下された理由とは、本人が出国すれば、国家安全に対して危害を加える危険性があるからだという。しかし、文章を書くことしかできない自分は数百万の軍人警察を有する中国の国家安全に、どう危害を加えるかについての具体的な説明はしなかったという。