中国外交部、チベット取材した外国人記者2人を尋問

2007/05/29 更新: 2007/05/29

【大紀元日本5月29日】国境なき記者団(本部、パリ、Reporters Without Borders、略称RWB))は5月25日、声明を発表、中国外交部がチベットを報道した二人の外国人記者を呼び出して警告したのを非難し、北京オリンピック組織委員会の劉淇・委員長に対し、経緯の説明を求めた。

国境なき記者団の報道によると、先週、中国外交部情報センターの張立中(音読み)主管は、ドイツのフランクフルター・ルントシャウ紙(Frankfurter Rundschau)の駐中国記者マース氏と米国のマクラチー紙(McClatchy)の駐中国記者ジョンソン氏を呼び出し、今年4月のチベットでの取材について尋問した。

張主管は、マース記者によるチベットの報道は間違っているとし、新聞記者の職業基準を違反し、事実を歪曲したため、問題は深刻と警告、この「錯誤」を訂正することを要求した。また、張・主管はマース記者に対し、外国メディアへの新しい規定によれば、彼にはチベットに行く権利があるが、依然、ラサ市政府の許可を得なくてはならないと説明した。

米国のジョンソン記者に対し、張・主管は、同記者の報道の一部は間違っている、しかもまったく受け入れられないと説明した。

マース記者は国境なき記者団に対し、自分は中国に駐在して9年間、中国外交部の幹部から報道を非難されたのは初めてと語った。ジョンソン記者は、この張主管の話を引用し、「(中国当局の外国メディアへの報道規制緩和を定めた)新しい規定には、チベット問題に関する部分が含まれてない」と伝えた。

この二人の外国人記者の証言によると、彼らがチベットに滞在する期間中に、終始私服警官の尾行・騒乱を受けていた。また、彼らと会話したチベット人は罰金を課せられた。シガツェ城を訪れる予定だったが、警察に阻止されたという。

中国国務院は昨年末に、「北京オリンピックおよびその準備期間中に、外国記者への取材規定」を公布、2007年1月1日から2008年10月17日までに、外国メディアによる国内での取材制限を緩和すると公表した。しかし、5月初めに、北京オリンピック組織委員会が再び「オリンピック期間中に、外国記者取材の新しい規定」を公布した。

国境なき記者団は声明文で、北京市の劉淇・市長はこの新しい規定を説明する際に、外国記者がオリンピック期間中の新聞報道の自由は保障されることや、ビザを有する外国記者は、外国人観光客に開放している如何なる地区に行けると明言したことを挙げた。

また、劉淇・市長に対し、外国記者のチベットと新疆ウィグル自治区での取材は、許可されているのかどうかについて、説明を求め、今回同様な騒乱が二度と起こらないよう求めた。

国境なき記者団は、言論・報道の自由の擁護を目的とした、ジャーナリストによる国際的な非政府組織。1985年にパリで設立された。世界中で拘禁されたジャーナリストの救出や殺害された者の家族を支援。そして各国のメディア規制の動きを監視し警告するのが主な活動である。 近年では、ヤフーとグーグルにインターネットの検閲をしないように要請している。

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