中国製毛布の発がん性物質含有量、国際基準の10倍=豪州当局

2007/06/02 更新: 2007/06/02

【大紀元日本6月2日】中国製造の有毒織物が豪州で確認された。発がん性物質ホルムアルデヒドの含有量が安全基準の10倍を超えている毛布である。豪州政府が緊急指令を発動、中国製の織物を調査し始めた、ある輸入業者が自らコンテナ8個分の毛布を市場に流出するのを止め、すでに店頭で販売している同類の商品の回収を始めている。米国のある会社も同類商品の輸入計画を中止したもよう。

豪州連邦政府は、同国の税関、厚生省、競争と消費者委員会(Australian Competition and Consumer Commission)の強い要請を受け、関連商品の調査に踏み切った。

豪州で最大の発行部数を誇る「シドニー・モーニング・ヘラルド」紙が5月29日、本件を報道した。それによると、豪州の高級家庭用品の大手業者シェリデンド(Sheridand)社傘下のアクティル社(Actil Commercial)が先週、中国から輸入されたコンテナ8個分の毛布を隔離、検疫検査を行った。その前に、豪州当局(Australian Wool Testing Authority)が検査した結果、中国から輸入した織物に、発がん性物質ホルムアルデヒドの含有量が世界一般の安全基準の10倍を超えていることがわかった。

シェリデンド社のホームページ

豪州マードック大学(Murdoch University)の環境学部のディングル(Peter Dingle)副教授は、中国から輸入する織物のホルムアルデヒド含有量は、「危険かつ異常なほど」高いレベルに達していると警鐘を鳴らしていた。

 5月下旬に、豪州の有名デパートのデーヴィッド・ジョーンズ百貨店(David Jones)が、自社の仕入れ業者に対し、中国から輸入した織物の検査報告書を提出するよう要求し始めた。有名のアパレル業者スーザン(Sussan)社も他の機構に、中国で製造した服装のホルムアルデヒド含有量の独立調査を依頼した。

シェリデンド社が5月下旬に、高危険性化学物質の含有の疑いがあるすべての商品を回収、豪州連邦化学・工業研究所や、某中国の実験室にそれぞれ独立検査を依頼した。

5月28日、同社が両社の検査報告書を受け取った。ホワイトヘッド(Pauline Whitehead)総裁によると、豪州連邦科学・工業研究所の検査結果は、中国の検査結果の2倍である。同総裁は、「二つの報告書の調査結果があまりにもかけ離れているため、現時点において、まだ結論を出せない。報告結果を公表する前に、更なる調査が必要」と述べた。

また、ホワイトヘッド総裁は、「この製品の中国の製造元は、他の豪州企業に同じ商品を輸出している、そのため、この有毒製品が豪州国内で引き続き流通している可能性が高い」と明らかにした。

シェリデンド社の仕入れ業者は、中国江蘇省の匯鴻国際集団有限公司である。大紀元記者が5月29日、同社のホームページで公開されている2つの電話を掛けたが、出る人がいなかった。

匯鴻国際集団有限公司のホームページの自社紹介によれば、同社は、江蘇省政府と対外貿易経済合作部が許可した大手輸出企業、江蘇省の重点企業グループであるという。

豪州羊毛検査・測量局の最初の検査結果によると、シェリデンド社が中国から輸入した毛布の発がん性物質ホルムアルデヒドの含有量は2790ppmである。米国や、欧州、日本などの国では、同発がん性物質の含有量の安全基準は330ppm。中国製毛布はその十倍近くに達している。

世界保健機構(WHO)は2004年、ホルムアルデヒドを発がん性物質と認定した。皮膚や、呼吸器の不調、白血病、肺がんを誘発する危険性がある。多くの国では、織物での使用量を厳しく制限している。ホルムアルデヒド含有の安全基準として、米国と欧州連合は、ベビー用品について、30ppm、一般用品では330ppmと定めている。日本のベビー用品では、15ppmが安全基準。豪州政府はホルムアルデヒドの建築材料での使用をも制限している。

中国の製造業者は寝具や、服装、ぬいぐるみなどの製品手触りの柔軟性を増やすために、ホルムアルデヒドをよく使っている。同時に、この物質は、染料の付着力を強め、縮みや、しわを防止する働きがある。

一方、シェリデンド社がこの中国製毛布を販売回収決定するまでに、すでにホテルや、病院、老人ホームなどに販売されていたという。

米国で中国産原料の有毒ペット・フード事件が発生し、数千匹の犬が死亡したのに続き、パナマで中国製偽物原料の風邪薬により、300人以上の死亡が確認された。そのほかにも、野菜や、うなぎなどの魚の農薬と抗生物質の含有が国際基準を遥かに超えていることや、有毒の歯磨き粉などが相次ぎ発覚していた。

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