【大紀元日本6月3日】海外中国人民主活動家・魏京生氏は2日、日本とグアムを巡る一週間の訪問の予定で来日したが、成田空港に到着後、空港の入国審査で入国を拒否され、3日午前現在、空港に滞在している。成田空港入国審査当局は、魏氏が入国が拒否される理由について「手続き上問題はないが、上からの指示」としている。
魏氏は3日午後6時から東京・豊島区で行われる天安門大虐殺事件の追悼集会に出席し、スピーチする予定。同氏の入国問題について、記者が成田空港入国審査当局に電話で取材したが、「手続き上問題はないが、我々の決定ではなく、上からの指示」としている。記者が魏氏の携帯に電話したところ、留守番電話になっていた。
来日を招聘した中国民主陣線日本支部の林飛氏によると、昨夜魏氏が拘留された後、外部との連絡を禁止されたが、同氏の強い要求で、2分間の外部連絡時間を与えられ、林さんに電話して知らせたという。林さんは糖尿病患者用の食品と薬品をもって成田空港に持っていたが、面会を許可されず、未だにも空港で待っているという。
魏氏が勤める「中国民主運動海外連盟会議」の黄慈平・事務局長が記者の取材に、魏氏は外界との連絡を禁じられ、魏氏の通訳をつけてほしいという要求にも応じなかったという。魏氏は糖尿病を抱えているが、適切な食品は与えられておらず、魏氏の健康状況に懸念を示した。また、拘留される原因について、パスポートと手続き上はすべて問題なく、中共当局からの圧力だとみられる。「魏氏が過去の来日においても問題があったので、今回の事件は偶然ではない。特に昨年10月、初めて訪日が実現し、日本での活動は政府とメディアなどに大きな反響を呼んだため、今回の日本訪問に関して日本政府は中共当局から圧力を受けたのだろう」と非難した。
同氏の拘留の件について、魏京生民主基金会、中国天網人権事務センターなどの人権組織は、すでにインターネット上に抗議声明を出している。
魏京生氏は、1950年5月20日北京で生まれ。「中国の民主の父」「中国のマンデラ」と知られ、ノーベル平和賞の候補に何度も挙げられている。現在米国に在住。70年代中国で平和的な民主化活動を行っていたため、1979年に反革命罪に問われ、逮捕された。逮捕前は、北京動物園で技術者として働きながら、同時に北京大学で歴史を学んでいた。逮捕されて以来、延べ18年を獄中で過ごした。魏氏の釈放を求める活動は世界的な規模になり、1997年11月16日、病気療養で仮釈放された。