【大紀元日本6月5日】南アフリカのケープタウンで4日、第60回世界新聞大会(主催・世界新聞協会=WAN、本部パリ)の「自由のための金ペン賞」授賞式が開かれ、中国人ジャーナリストの師濤氏に同賞が贈られた。中国政府の内部文書を国外の活動家らに送ったとして05年、国家機密漏えい罪で禁固10年の判決を受け服役中のため本人は式に欠席したが、代理として母親の高琴声さんが北京から式に出席しトロフィーを受け取った。WANによると、高さんは「息子は、報道の自由を奪われた直接の犠牲者」と語ったという。
師濤氏の代理で授賞式に出席した母親の高琴声さん(GIANLUIGI GUERCIA/AFP/Getty Images)
この日は、奇しくも天安門大虐殺事件の6月4日。昨年2月、アムネスティや国境なき記者団などに明らかにされたところによると、師濤氏が送ったとされる内部文書とは、中国共産党の指令書を要約し、インターネット企業「ヤフー」のアカウントを使ってメールで海外に送信したもので、この指令書は、天安門事件が起こった6月4日の記念日に社会不安が起きる可能性があるとして、中国人ジャーナリストに行動を煽らないよう求める内容だった。ヤフーが同氏のアカウント情報を中国政府に提供したとして、表現の自由に対するメディア企業の姿勢が問題になった。
授賞式では、世界編集者フォーラムのジョージ・ブロック会長が「(天安門事件から18年経った)今日でさえも、中国の多くの人々は、その日に何が起きたのかを全く知らない。中国共産党政権は、国内のメディアに対して公に率直に報道することを禁じており、あらゆる手段を用いて、暴露されないよう、メディアを沈黙させ、暴露しようとする者を厳しく処罰している」と述べた。