【大紀元日本6月5日】1989年に中国当局に弾圧された大学生の民主運動「天安門事件」18周年を迎えた6月4日、香港では、同夜、香港の中国返還後、10回目の追悼集会が開かれた。
集会は香港中心部のビクトリア公園で開かれた。主催者の香港市民支持愛国民主運動聨合会(略称、支聯会)によると、今年には約5万5千人が参加し、去年より1万人も増えた。
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これまで同様に、老若男女各年齢層の香港市民が追悼集会に参加した。気温30度の中、民衆らは白いキャンドルに光をつけ、「6・4天安門事件の名誉を回復せよ」「民主抗争を支持する」などのスローガンを繰り返した。
現役女子大生の羅さんは、1989年に生まれた妹を連れて集会に参加した。彼女はBBCの取材に、母親から天安門事件の全容を知ったと話した。
羅さんは、「いま、中国当局は経済・政治において、一定の権力を保てるようになったが、依然、天安門事件の真相を隠ぺいし続けている。これは非常に悲しいこと」と語った。
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王さんも幼い子供を連れて集会に参加した。子供に天安門事件という重要な歴史を知ってほしいと述べ、「香港が中国当局に帰還されてから、天安門事件に関心を寄せる香港市民が少なくなっている」と述べた。
王さんによると、彼自身は天安門事件の当時、福建省の大学生であり、街頭での抗議デモにも参加したという。彼は、「正しいことは正しい、間違ったことは間違ったと認めるべきだ…。天安門事件を引き続き議論していかなければ、後世の人に忘れられてしまう」と話した。
追悼集会では、「天安門の母」(天安門事件で虐殺された大学生の母の一部が結成した組織)の代表・李雪文さんや、当時の大学生リーダー王丹さんの講演映像などが放映され、大会の宣言も読み上げられた。
中国当局寄りの香港の政治団体「民主建港連盟」の会長・馬力氏が先月、天安門事件」について、「大学生を虐殺したという、言い方はすべきではない」と発言した。この発言は民主活動家らをはじめ、香港市民から強く非難されている。今回の追悼集会で、講演者が馬力氏の発言に触れた際に、参加者から激しい罵声が飛んだ。
大会の宣言では、「虐殺が発生した当時には、袁木がいた。今は、馬力がいる。破廉恥に天安門広場での虐殺を隠ぺいし、粉飾しようとしている」と非難した。
18年前、天安門事件が発生した翌日、袁木氏は中国国務院の報道官として、「私は責任を持って、全世界に宣言する。天安門広場では誰一人も死んでいない。海外メディアが報道している軍が大学生や市民を殺した映像は、現代科学技術を使って作り上げたもの…」などとうそぶいた。
支聨会の会長・司徒華氏が追悼文を読み上げた。その中で、中国各地で勃発している民主・人権運動に言及し、「現段階での人権抗争は民主運動の序幕である」と形容した。
支聨会のメンバー李卓氏はBBCの取材で、「中国当局は、香港市民が天安門事件を忘れることを願っているが、今日の追悼集会で大勢の参加者がいることは、香港市民が洗脳されていない証だ」と述べ、「中国政府にはっきりと伝えたい、我々は忘れていない、我々はこれからも固く信念を貫いていく。中国で民主と自由が実現されることは、香港の繁栄と安定の保証である」と強調した。