【大紀元日本6月9日】共同通信社は3日、中国国内消息筋の話を引用し、温家宝総理が公務過重の理由で、次期の連任を固辞したと伝えたが、中共外交部は翌日、駐中国現地の共同通信社総局長と特派員記者に面会し、「この報道は完全にデマであり、あまりにも無責任だ」と批判した。香港誌「新紀元週刊」の総編集長・臧山氏は本件について、今秋の中共第17回全国大会を前に中共高層の各派が激しい権力闘争をしており、海外のメデイアを操り、或いは情報筋を通して海外メデイアに嘘の情報を流して報道させる場合があり、この手段を利用して、国内の政敵に刺激を与えたり打撃を与えたりしているという。
臧山氏は、中共中央政治局常委・黄菊がこのほど死去し、上海閥は全面崩壊しつつあり、大陸の政局は転換期を迎えている現在、頻繁かつ絶えることなくデマが流されているのは、中共高層内部に激しい闘争があるしるしである。当時、毛沢東と_deng_小平の死去の前後に、中共高層の各派が激しい衝突の際、同じ現象もあった。
デマを流布、権力闘争の常套手段
6月3日に、日本共同通信社は情報筋の話を引用して、「国務総理の温家宝氏(64)は、公務の過重で、毎日4時間の睡眠しか取れず、彼が身辺の人に『五年間も総理を務めれば十分だ、もう来春には連任するつもりはない』と明かした」と報道した。
この報道の中で、「温家宝総理の辞意は堅く、辞任後に全国人民代表代会委員長に転任する可能性があり、引き続き政治局常任委員に留任する予定である」と伝えた。この報道は、すぐ海外のメデイアに広く転載された。
6月4日の夕方に、中共外交部のスポークスマン・劉建超氏は、共同通信の関係者に面会し、「この報道は完全にデマであり、あまりにも無責任だ」と厳しく指摘した。
海外メデイアを利用してデマを流布することは、中共高層内部闘争の常套手段である。流されたデマを外交部が公式に否定するのは、珍しいことである。
温家宝氏は、2003年に朱熔基総理の後任として、国務院総理に就任した。他の中共高層の指導者に比べれば、温家宝氏は、実務派で国民に親近感があると評価されている。
胡温の関係は非常に密切
香港誌「新紀元週刊」の総編集長・臧山氏の話によると、胡錦涛と温家宝の関係は非常に密切であり、「胡温新政」とも呼ばれている。胡錦涛が提唱した「社会調和理論」は、以前、温家宝が言及したこともある。両者の考え方は、一致しており、胡温は牢固な同盟関係があり、温家宝の総理連任が、胡総書記から強く支持されている。
さらに、臧山氏は、「経済調整政策がうまく執行できなかったことで、温家宝はかなりの圧力に直面している。中国国内で難問が山積されている根本な原因は、共産党内部に厖大な利益集団が形成されているからである。江沢民時代には、政府が官僚腐敗を黙認していたが、胡温政権は、腐敗問題を改善しようとしているが、官僚階層から強く抵抗されている。中国の問題を根本から解決するために、中共の政治体制を変えなければできない」と指摘した。