【大紀元日本6月23日】ネットサイトで中国での児童や知的障害者などの強制労働の実態を明らかにした400人の父親は6月20日、再度救援状をネットで公開し、「全国を震撼させた強制労働事件の解決は、氷山の一角に過ぎず、警察が取締りを行っているが、いまだに1000人以上が毎日苦難に耐え続けている…どうか、我々の子供に救いの手を差し伸べてください」と呼びかけている。
行方不明になったわが子を探す河南省の400人あまりの親が6月5日、救援状を初めて公開し、中国の闇業者が児童や知的障害者を誘拐し、炭鉱やレンガ工場などに売り飛ばしている実態などを明らかにした。巷が騒然する中、中国共産党最高指導部が問題の解決を命じた。そして、国内の多くのメディアは、警察による取締りが行われ、被害者らが相次ぎ救出され、問題は解決に向かっていると報じ、政府の功績を讃え、強制労働問題を見てみぬふりしてきた現地政権と公安の関係者は、一夜で弱者を救う「英雄」になった。
一方、メディアが強制労働の救出劇を報じ続けている中、6月20日、400人の父親らは、再度、ネットで上記の救援状を出し、未だに救出されていないわが子に救いの手を差し伸べるよう、社会にSOSを発した。それによると、親たちがこれまでに、全国各地を転々と捜し続けた結果、約100人あまりの子供を救出できたが、大半は河南省の出身ではない。自分たちの行方不明になった子供は依然、どこかで奴隷のように働かされているという。
これらの親の大半は、未だに行方不明のわが子は誘拐されて闇工場に奴隷として売り飛ばされていると確信しているという。その根拠として、救出された子供の証言が挙げられた。「多くの誘拐された子供は同じ車に乗せられ、山西省に運ばれ、現地に着いてから、皆バラバラになった」「同じ工場で1ヶ月ぐらい一緒に働いていた」などだという。また、親らは、「河南テレビ都市チャンネルの強制労働問題を同行調査した記者・付振中氏が撮影したビデオは、子供らの証言などを証明できる」と主張している。
最新の救援状には、「子供たちはどこへ行った」「彼らはどこにいるのか。血が滲む涙を流し、わが子を捜し求め続けている私たち親は、いつ、一家団欒の日を迎えられるのか」などと書き込まれ、親たちの切羽詰った心情が表された。
また、親たちは、これらの子供はすでに山西省から転移された可能性を指摘、全社会の力を動員し、政府関連部門が捜査の範囲を拡大し、全国連動の体制を構築して、最大限に子供の救出に取り込むよう懇願した。
救援状の最後に、「400人あまりの父親の悲痛な叫び」として、以下の内容が書かれた。「全国を震撼させた強制労働事件について、解決されたのは氷山の一角に過ぎず、いまだに1000人以上の命がどこかで苦難に耐え続けている。天下の親心は皆同じだ。どうか、我々の子供に救いの手を差し伸べてください」と呼びかけている。
一方、ネット利用者からは、強制労働問題を放置し、疑惑の炭鉱・レンガ工場のオーナーと結託する現地政権や、公安当局の関係者への責任追及を求める声が高まっている。