台湾に一国二制度?5割以上の台湾人が否定的

2007/07/04 更新: 2007/07/04

【大紀元日本7月4日】香港台湾が合同で行った民意調査の結果によると、5割以上の台湾人は香港で実施されている、いわゆる「一国二制度」は台湾に適していないと考え、一方、香港人の5割以上が一国二制度は台湾に適していると認識しているという。また、香港が中国に帰還されて10年が経過した現在、台湾での一国二制度の実施に賛成する台湾人は10年前と比べて13%減少し、反対は依然として5割以上に保たれていることがわかった。

香港大学民意研究センターと台湾無線衛星テレビ放送(TVBS)の民意調査センターはこのほど合同で、香港と台湾両地域の市民を対象に香港帰還十周年について意見調査を行った。調査結果によると、約53%の台湾民衆は、一国二制度は台湾に適しないと考えており、一方約52%の香港市民は、台湾に適していると認識していると、一国二制度に対する意見が大きく分れた。

また、同調査で台湾人回答者に「台湾と中国大陸の関係について、台湾での一国二制度の実施に賛成しますか」と問いたところ、約55%の台湾民衆は賛成しないと示し、約23%の回答者は賛成すると答えた。1997年香港帰還前に実施された民意調査と比べ、一国二制度の実施を賛成すると答えた台湾市民は約13%減少した。また、賛成しないと答えた人は依然に5割以上と保たれている。

*香港の民主化現状では、台湾民衆が一国二制度を受け入れることができない

香港の「信報財経新聞」に寄稿するコラムニストで台湾政治観察評論員の陳淞山氏は、香港が帰還してから10年が経った今、経済上では自由開放が保持されたが、政治上では香港民主自由度が大幅に後退しており、香港の民主派人士は行政長官及び立法会の完全な直接選挙の実施のために戦っている状況が十年間に変化していない、一方台湾では今人々が直接に大統領や立法委員会委員と選出することできる制度がすでに整えられているため、台湾民衆がますます一国二制度を受け入れられなくなった、と指摘した。

陳氏は、中国政府は当初香港での一国二制度の経験を台湾に展開しようと望んでいたが、しかし、香港民主自由度の後退で、多くの台湾民衆が経済的に自由だが、民主化を後退させる一国二制度に対して賛同しなくなったと述べた。陳氏は「実に、これは香港で実施されている共産主義の一国二制度の経験は台湾にとって、何も魅力が感じられないことを証明した。したがって、台湾の人々はこのような制度が台湾で実現されることを決して認めないだろう」と話した。

民意調査結果によると、一国二制度の下で、将来香港の経済発展について、約70%の香港市民が「楽観的」と答えたが、それに対して、同様に「楽観的」と答えた台湾民衆は41%にとどまった。

*台湾民衆:共産党は信用できない

また、同民意調査によると、将来香港の民主化進展について、「楽観的」と答えた台湾民衆は約32%で、「悲観的」と答えた人は37%で、香港の民主化を懸念する台湾人が比較的多いことがわかった。一方、香港では、将来香港の民主化進展に関して、「楽観的」と回答した市民は約45%で、「悲観的」と答えた人は25%。香港市民は台湾民衆と比較して、香港の民主化に楽観的であることを表した。

「台湾の人々は1996年以来、一人一人自ら直接投票し、最高行政首脳である大統領から、国会議員、地方議員まで選出することができる。なぜ台湾の人々が香港の一国二制度を受け入れられなければならないのか。香港の人々は特区行政長官及び立法会委員を直接選出する(直接選挙)ことができるまで、あと5年(2012年)を待たなければ議論されない。したがって、台湾の人々は共産党が信用できないと思うようになった」と両岸情勢評論員の譚志強氏が述べた。

また譚氏は、台湾の人々は一国二制度が実施された後の香港経済発展について肯定的に評価しているため、これまで数多くの台湾企業が香港株式市場に上場したと述べた。

香港大学民意研究センターの鐘庭輝・主任は今回両地域で実施した民意調査をまとめる際、「香港が帰還した後、台湾社会はより民主化、より本土化の方向に発展してきた。香港の両岸(中国大陸本土と台湾)の架け橋とする役割が徐々に低下し、香港と台湾両地域間の民間交流も少なくなった。また、香港帰還後、香港社会において台湾問題についての言論があまり見られなくなり、同時に香港問題は台湾社会において中国大陸問題の一部として捉えられるようになった。この二つの変化は両地域間の交流そして中華文化の発展を阻んだ」と話した。

今回の民意調査は、20歳以上の台湾民衆900人と18歳以上の香港市民1000人を対象に調査を行い、回答を得たという。

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