【大紀元日本7月6日】今年6月5日に国連が定めた「世界環境の日」に際して、中国広東省環保局が発表した「2007年第1季環境質量季報」によると、廣東省全省の8都市は重度酸性雨地区であることが明らかになった。その内、広州市は酸性雨がもっとも多く、PH3・2でもっとも酸性の強い雨を降る地区であると指摘した。一方、さらに深刻な統計数字を出した気象部門の統計によると、広州市は今年最初の3ヶ月における酸性雨の降雨頻度は100%で、平均酸性度はPH3・8だとし、平均値がPH4のお酢よりも酸性が強いと指摘した。今年4月、5月における酸性雨の降雨頻度もそれぞれ90%と80%で、総合して平均にすると、10回の降雨で9回が酸性雨であることが分かった。
「南方都市報」によると、広東省気象部首席専門家で、中国気象局の広州熱帯海洋気象研究所首席研究員の呉兌氏は、実際、ここ10年間、広州における降雨は重度の酸性雨の傾向であったとし、2000年から2004年まで、それぞれの酸性雨降雨頻度は76%、71%、85%、83%、97%だったと指摘した。この数値からみると、気象部門の統計は環保部門より深刻であることが分かる。
広東省気象局の公報によると、今年の第1季における広州市の酸性雨降雨頻度率は100%で、PH4・5以下の重度酸性雨であったという。その中でも、もっとも酸性の強い雨がPH3であった。また、1月に6日間の降雨における酸性度は平均PH3・8で、2月に8日間の降雨における酸性度は平均PH3・8で、3月に17日間の降雨における酸性度は平均PH3・85だったという。
広東省環保局の数値によると、2006年全省における降雨酸性度は平均PH4・8で、降雨頻度率は52・7%で、酸性雨の汚染は依然として深刻であるという。また、全省における降雨酸性度は平均PH4・41(広州)~7・01(潮州)である。6割を占める13の都市が酸性雨の汚染を受けており、面積および人口にすると、全省の7割を占めるという。広州、深圳、朱海、仏山、東莞等10の都市が重度酸性雨地区になる。
前出の呉氏は、酸性霧雨の中の有害物質は酸性雨より数百倍も高いことは研究で明らかになったとし、霧雨の酸性度はにわか雨および台風による降雨などより高いと指摘した。雨滴の直径が1・05mmの場合、酸性度はPH3・5~4・5で、直径が1・11mmの場合、酸性度はPH4・5~5・5で、直径1・23の場合、酸性度はPH5・5~6・5の間であると明らかにした。
呉氏は、酸性雨には強い酸化作用があり、皮膚の老化を促す。弱体質の人にとって、特に酸性霧雨に注意が必要だとした。霧雨は体内に吸入しやすく、呼吸道粘膜を害し、呼吸道疾病を引き起こすと注意を呼びかけた。