【大紀元日本7月9日】ここ一ヶ月間、23人以上の中国人少年がスウェーデンに違法に入国した後、現地政府が手配した臨時の宿泊施設から姿を消した。スウェーデン警察は、国際人口密輸との関連を疑い、立件調査が始まった。
スウェーデンメディアの報道によると、2005年末に警察が解決した同様な案件に続いて、今回の中国人少年の集団失踪事件は2度目であるという。
報道によると、少年らは飛行機でストックホルムの国際空港に到着、全員は自称18歳未満。まったく大人が同伴していない上、如何なる身分証明も所持していない。しかも、入国する途端、難民申請を申し出たという。
難民申請が受理された後、スウェーデン警察はストックホルムから30キロ離れたシゴティナ地区の臨時宿泊施設に、少年らを入居させた。
現地政府の主管ビヨン・エクトロン氏によると、中国人少年らは臨時宿泊施設に入居してから数日後に、姿を消したという。
スウェーデンの法律は、難民が収容センターで政府の審査結果を待ち受ける間、住居の鍵は自主保管するため、臨時宿泊施設の職員も、少年らの出入りを制限できないという。
エクトロン氏は、「現在、中国少年らは、どうやって入国し、失踪したのかは、まだ判明していない。過去の経験を参照すれば、2年前に全国で知られた大規模中国少年失踪案件の再演である可能性が高い」と述べた。
2004年末、スウェーデン政府は約1年間に渡り、12歳から18歳の中国人少年96人を保護した。これらの少年は、偽造パスポートあるいは偽造ビザで上陸した後、すぐに政治難民を申請した。その後、96人が失踪してしまった。うち30数人は欧州の他の国で姿を現したという。
姿を消した中国人少年について、奴隷労働に使われることや、犯罪集団のメンバー、あるいは、売春を強いられることなどが推測される
台湾メディアの中央社は警察の情報を引用し、「近年、中国国内の『蛇頭』(密入国を斡旋する犯罪組織)は国外の犯罪グループと結託して、厖大な密入国ネットワークを構築し、北欧などの国を中継所にし、高額な費用を徴収した後、国内の青少年を南欧や、西欧などの各地に送り込んでいる」と報じた。
報道によると、「蛇頭」が1人の少年を売ることで、2万ドル以上の暴利を得るという。
また、「これらの少年は、欧州に児童工あるいは、奴隷工として売り飛ばされる可能性が低い。北欧の国で姿が確認された失踪少年は、綺麗な身振りをし、不法入国者の兆しはまったく見えない」との報道もある。
南欧と西欧にいる中国東南部の沿海地区出身の不法入国者について、多くは夫婦二人で昼夜問わずに働き、子供を故郷に残しており、子供が十代になったら、夫婦は、高額な金を払い、蛇頭に子供の不法入国を依頼する、との情報もある。
スウェーデン警察は、中国人少年の失踪事件に非常に注目していると表明し、中国当局に対し、管理の強化を促し、有効な措置を講じ、中国国内での人身売買集団の犯罪行為を抑制するよう求めているという。