【大紀元日本7月12日】ここ2ヶ月間、中国の有毒歯磨き粉は、パナマ、ニカラグア、コスタリカ、香港、米国、豪州、シンガポール、ニュージーランド、日本、カナダ、欧州などに相次いで問題になり、国際社会の強い関心が寄せられている。今月に入って、スペインおよびイタリアにも有毒歯磨き粉が発見され、回収命令がでた。
中国大陸から輸出された有毒歯磨き粉はまずパナマで現れてから、引き続き世界中を飛び回り、すでに十数カ国に現れたため、各国政府および消費者たちが中国食品の安全性に対して疑いを持つようになった。欧州連合(EU)は7月10日、スペイン当局が中国2社の歯磨き粉商品に対して、回収命令を下したことを発表した。これに対して、EUの上層部の関心が再び強まった。
EU執行委員会は、欧州ではまだ被害の情報は出ていないが、スペインおよびイタリアはすでにそれぞれ10万本と2万本の有毒歯磨き粉を使用禁止にしたことを明らかにした。これらの歯磨き粉は病院側が患者に提供されるもの、ホテル側が宿泊客に提供されるものまたは、航空会社が乗客に提供されるものだという。
EU執行委員会によると、スペイン当局が回収を決めたのは中国製の歯磨き粉「スパーミント(Spearmint)」および「トリリーフ・スパーミント(Trileaf Spearmint)」で、スペインの研究所で両製品ともに、抗凝固剤および溶剤として使用されるジエチレングリコール(diethylene glycol)が検出されたという。
EU消費者事務責任者メグリナ・クニバ氏のスポークスマンのヘレン・ケオンス氏は、「これは受け入れられないリスクだ。われわれは厳粛に深く追求し処理しようとしている」とし、歯磨き粉問題はすでに3つの大陸に現れ、「世界的規模」になっていると警告した。
EUの警戒系統に従い、執行委員会はEUの加盟国から正式の通知を受ければ、その他の会員国が法律に則り、各自の市場における対策措置を行う義務があると同時に、その措置を執行委員会へ通知することになっている。
EUのほかに、米コネチカット州およびマサチューセッツ州も数日前に、疑いのある有毒歯磨き粉が発見され、当局はこれらの商品の販売中止を求めた。
これに対して、中国政府は7月10日、中国前国家薬監局局長・鄭筱萸氏を収賄と職務怠慢で処刑したが、中国政府の食品安全管理で損なわれたイメージ回復を狙ったと言われている。