【大紀元日本7月21日】中国雲南省の現地政府元幹部ら数百人はこれまで、当局の不当処遇を集団陳情し続けていたが、公安当局は最近、情報捏造などの理由で代表者の自宅などを家宅捜査し、数人の身柄を拘束した。事件の詳細をネットサイトで暴露した人権団体は、当局から国外敵対勢力の諜報機構とされ、脅迫などを受けている。ラジオ自由アジア(RFA)が報じた。
同省寧●県政府事務室の副主任だった肖福元氏によると、現地政府元幹部400人あまりが集団陳情活動を続けてきた。彼らは1990年代に国から勤続年数に応じて算出した一時金をもらった後退職した。しかし、小額の年金で生活が非常に苦しいため。これまでに国に対し、追加補償を求める陳情活動を続けてきたが、当局はまったく取り合ってくれなかった。その間、病を患い、金がないため十分な治療を受けられないまま、約70人あまりが亡くなった。そのうち4人は自殺したという。(●…くさかんむり+浪)
肖福元氏は7月16日の取材で、「私の自宅は家宅捜査を受け、すでに4日半続けて、取調べを受けていた。毎回の取調べは6時間以上に及ぶ。私たちは現地当局の幹部汚職の情報などを各方面に送ったため、事実の捏造、幹部への人身攻撃、幹部への誹謗中傷などの理由で、取調べを受けている」と話した。
また、公安当局は近日、集団陳情の代表者の1人、麗江市寧●県建設局元幹部・李法普氏を、刑事案件の容疑者として身柄拘束した。家宅捜査の際に、すでに廃棄された機関銃の弾丸20発を発見したため、銃器違法所持の疑いがあるとのこと。李氏の妻は取材に応じ、「あれは20数年前に、友人が私たちに郵送してきたもので、置き場所を忘れていたが、家宅捜査のときに見つかった。警察は、情報捏造と誹謗中傷との理由で、我が家を家宅捜査したが、弾丸を発見した突端、刑事案件に変更すると告げた」と経緯を明かした。
元幹部らは、四川省成都市の「中国天網・人権事務中心」に助けを求め、自分たちの境遇を明かした。同団体のネットサイトは、元幹部らの集団陳情活動の一部終始を伝え、一部の国外メディアも関心を示し、転載報道した。そのため、現地当局は、「『中国天網』は、国外敵対勢力の国内で潜伏する諜報機構であり、同団体との連絡を厳禁する」と元幹部らに通達したという。
それについて、中国天網の責任者・黄_qii_氏は、「法律に基づいて、今回の現地政府元幹部による集団陳情事件を掲載した。国外敵対勢力の諜報機構などの話は、まったくの捏造だ。現地公安当局にその証拠を示してほしい」と反論、「私たちは、当局の様々な悪行を天下に暴かしているため、彼らの機嫌を損なった。国外とか、敵対勢力とか、それらの言葉は、当局が民間の人権活動を圧制する最も効き目のある武器」と話した。