【大紀元日本7月23日】中国でもっとも影響力のあるメディアの一つである「民主と法制時報」社は、これまでになかった人事大異動が行われてから、国際社会の関心を引き寄せた。「国境なき記者団」は、これが中国当局の情報統制の一環であると指摘した。
*国境なき記者団:これはメディアの口を封じる手段である
米VOAによると、パリに本部を置く報道自由および記者権益を守る国際団体「国境なき記者団」はこのほど、中国政府は「異なる形式で報道審査制度を実行しており、ウェブサイト、ブログ、新聞社の封鎖を含み、著しく報道の自由に違反するやり方を行なっている」と非難した声明を発表した。声明の中では「民主と法制時報」の内部粛清は、中国当局が政治を批評する新聞や雑誌を抑圧するための典型的なやり方だと指摘した。
「国境なき記者団」は2週間前に、「民主と法制時報」の社長、副総編集長を含む8人の編集者が退職させられたことを明らかにした。しかし、中国当局は同件に対して、コメントを控えており、関連資料をも公表していないという。
「国境なき記者団」アジア事務主任のウェンソント・ブルサイル氏は、中国当局からの説明が必要だと指摘し、政府に直言する勇気がある出版物が再び抑圧されることは、自由派雑誌「氷点」に対する抑圧の続きであると非難した。
ブルサイル氏は、中国当局はよく組織の再編成、横領などの罪名を用いて異見を持つ編集者および記者粛清し、直言した報道を封じる目的に達すると指摘し、特に10月に共産党全国代表大会が開催する前にイデオロギーの制御を行っていると分析した。
*ベテラン編集者:正常な人事異動、不思議ではない
これに対して、「民主と法制時報」の匿名希望ベテラン編集者は、「外界の報道は少しずれており、実は、これは投資会社と出版社の間の関係変化により生じた内部の人員調整で、ごく普通のことである」と説明した。
同編集者は、このような外部投資による新聞社の運営は、メディア界においてごく普遍的なことであり、双方の協力関係に変化を生じることも珍しくないし、かつ、退職された人は、決して直言する勇気がある編集者と記者でもなく、彼らは名前だけ会社において、実際に記事を書いたことはなく、わが社以前の記事を見れば、彼らの名前は一度も出ていなかったことがお分かりになるだろうと説明した。
しかし、同編集者は、「昨年弊社は政治を鋭く批判し、社会の醜い現象を暴露した記事を出したことから、社会に大きな影響を与えたことが事実であり、今回の人事異動が外界に注目されたことは、これらの報道の影響があった」と思っている。