【大紀元日本7月26日】3年前から欧州連合(EU)・中間で実施されている繊維製品割り当て制度は、いよいよ今年末に終了することから、EUは新たな貿易政策を打ち出すとみられ、その政策決定はEU・中第2次「ブラ戦争」を引き起こす可能性があると予測される。
BBC報道によると、EUは2005年、中国より輸入した下着などの安価な繊維製品に対して、割り当て制度を実施したことから、双方が貿易争議を引き起こした。西側メディアは、女性下着のブラジャーに因み「ブラ戦争」と呼んでいる。のち、EUおよび中国は、2008年に同制度を終了することで合意に達し、争議は取り敢えずおさまった。
一部の欧州アパレル輸入関係者は、割り当て制度は来年で取り消されることを予測し、すでに中国へ来年の商品発注を行ったことから、中国繊維製品割り当て制度の延長中止を求めている。EU外国貿易協会は7月19日に、貿易協会は、同制度の延長は輸入企業および小売業に対して、不透明感を与えると共に、欧州で保護されている業種の競争力を高めることに役に立たないと指摘した。一方、イタリアおよびスペイン等国はそれぞれの繊維業を保護するために、同制度の延長を望んでいるという。
EU貿易専門担当者マンデルソン氏は、これから先の数日間において、EU各加盟国の工業部門長官らと欧・中の繊維製品問題について、共同認識を求めるために話し合うことを明らかにしたと同時に、中国に対して、来年の割り当て制度終了してからの過度期における安定性に協力するよう求めた。2005年当時、多くの発注がキャンセルされ、大量の中国製繊維製品が倉庫に山積みになっている一方、欧州の店舗では品物不足に直面していたという。
一方、EUは、中国が対EUにおける膨大な貿易超過を処理し、欧州企業に対する貿易障害を取り除くことを強く求め、外資への市場および投資の開放を呼びかけた。さらに中国に対して、知的財産権およびコピーライト法規における重大な改革の実行を促し、中国企業が欧州ブランドの偽造等の徹底的な取り締まり並びに、欧州企業の特許内容を使用した中国企業が、欧州企業へ特許使用のロイヤリティを支払うよう求めた。
中国商務部・薄煕来部長は先月マンデルソン氏に対して、北京側は欧・中貿易の不均衡状況に気づいたとし、問題解決に努力する承諾をしたという。
中国政府関係の統計によると、今年の上半期において、中国の最大輸出市場であるEUへの輸出総額は95・3億米ドル(約11兆817億円)に達しており、EUへの輸出累積額に対しての増加率は5・5%になっており、これから先は、さらに減少する見込みだという。