【大紀元日本8月6日】世界中で利用されているフリー百科事典ウェブサイト「ウィキペディア」を含むウィキメディアの第3回年次総会が8月3日、台北市で開催された。数十カ国から400人以上のウィキメディア利用者が大会に出席した。ウィキメディア基金会は、中国政府に対し、ウェブサイトの封鎖を解除し、少なくとも1億人の中国ネット利用者に、同ウェブサイトの無料情報およびサービスを利用享受できるよう呼びかけた。
*もっとも歓迎されるウェブサイトの1つ
米VOAによると、ウィキペディア基金会の理事長Florence Devouard氏は、ウィキメディアを創設してから、すでに多くの情報およびサービスを提供する総合ウェブサイトに成長し、その内、人々の熟知するウィキペディア百科事典、ウィクショナリー、ウィキブックス、ウィキソース、ウィキメディア・コモンズなどを含む9項目までに達したと示した。また、ウィキペディア百科だけでも700万の記事を有し、250種類の言語が使用され、利用者は680万人以上だと明らかにした。ディボールド氏は、ウィキペディアが世界でもっとも歓迎される10のウェブサイトの1つだと強調した。
*閉鎖から解禁、そして閉鎖
Devouard氏は、「しかし、中国政府は依然としてウィキメディアに対する封鎖は解除していない。約1~2ヶ月前に、中国がウィキメディアの封鎖を解除したと思ったが、それは単なるある種の技術上の原因で一時解除されただけで、数日後ウェブサイトは再び中国政府に封鎖された」と指摘した。
グーグル、マイクロソフトおよびヤフーなど大手の検索エンジンは、中国国内で同ウェブサイトを運営するために、中国政府に同調し、政治に関連するキーワード、例えば、「自由」、「民主」等の内容を情報統制している。しかし、ウィキペディア百科事典は、これまでに中国政府の情報統制に反対したため、英文版ウィキペディアは中国で、すでに1年と6ヶ月にわたり封鎖せれている。
約2年前に中国当局は大陸ネット利用者のウィキメディアへのアクセスを断続的に禁止したが、最後の封鎖は現在に至り、すでに1年6ヶ月以上が経過したとDevouard氏は明らかにした。中国政府の封鎖に対して、ウィキメディア管理者が困惑しているという。Devouard氏によると、創始者の1人、ジミー・ウェールズ氏は、今年の9月に中国を訪ね、中国政府関係者に対して、ウィキペディアのウェブサイトの封鎖を解除するよう交渉する予定だという。
ウィキペディア創始者の1人、ジミー・ウェールズ氏(Jimmy Wales) (AFP/Getty Images)
一方、英「ガーディアン・アンリミテッド」報によると、中国国務院情報弁公室の王国慶(Wang Guoqing)氏は、携帯電話およびインターネットの普及によって、情報検閲は難しくなったとし、「情報封鎖が行き詰まりになりつつある」と指摘したという。また、トゥドウ(Tudou)ウェブサイトの創設者・王加利氏(Gary Wang)は、上海で英「ガーディアン・アンリミテッド」紙記者に対して、中国政府は毎週1つか2つのテレビ番組を禁止していることを明らかにし、こうすることでも、当局はこれまでに勝ったことのない戦争を続けていると指摘した。
*政治的中立
Devouard氏は、ウィキメディアはボランティアによる情報提供および無料の情報享受するウェブサイトであり、如何なる政治的傾向および政治主張はないとし、中国人民からもウィキペディアへの知識を貢献して欲しいし、中国以外の人々がその知識を享受できるように望むと強調した。
英「ガーディアン」紙の報道によると、2008年北京オリンピックまでの1年間、情報統制・封鎖の問題は日増しに重要になっている。このままでは、五輪のために中国を訪問する外国の旅行者がインターネットから、重要な情報を入手できないことになると指摘した。