【大紀元日本8月9日】浙江省温州市洞頭県小三盤村の漁民らが4年前から県政府に対して提訴していた海浜地区違法開発訴訟で、漁民らは今年勝訴したが、県政府は裁判所の判決の執行を拒否した。以前より状況は悪化し、県政府はなりふり構わず土地開発を進めた。漁民たちは何度も地元当局に対して抗議したが、その都度、当局が雇った暴力団に阻止された。対立は流血事件に発展し、今月7日、砂浜の工事現場で再び漁民が雇われた警備に暴力を振るわれ、漁民4人が重傷を負い、一人は重体であるという。
洞頭県政府は再び合法的な書類もなく、無許可で沙角村周辺の海浜地区4000ムー強(約267ヘクタール)を占有した。地元当局は砂浜を埋め立てするために、村幹部との契約で内諾した25ムー(約1・6ヘクタール)の土地より、すでに81ムー(約5・4ヘクタール)も多く占領し、埋め立て工事を行った。不満を募らせた漁民数百人が7日午後7時半ごろ、現場で開発業者に話し合いを申し込んだが、県当局が現場に配置した保安員70数人に石で殴られ、阻止された。
漁民・荘鵬さんは、保安員らが石で漁民たちを殴打した様子を詳しく語った。当時、漁民4人が重傷を負い、救急病院へ運ばれた。そのうち1人は頭部に重傷を負い重体であるという。多くの漁民は頭部や顔に怪我を負い、胸および下腹部を負傷した者もいるという。また、全身殴られ、傷だらけになった漁民もいたという。
一方、現場で保安員が漁民に対して暴力を振るう一部始終を目撃した小三盤村々民の陳慶育さんは、「山と海がすべて奪われた上、何の補償もない。当時約100人の保安員が現れ、最初は警棒を使って漁民を殴った。その後、重さ1キロほどある石で漁民たちを叩きつけた。多くの漁民がそのために怪我を負い、顔が血だらけになって、見るに耐えなかった。一部の漁民は床に座り込み号泣した」と語った。
同日夜、沙角村漁民300~400人が市区道路を遮り抗議したが、県政府は特別警察を出動させ、漁民を追い払い、女性の漁民・荘愛香さんを強制連行した。本紙記者が洞頭県政府に電話で状況を尋ねると、拒否された。
情報筋によると、三盤村・沙角村漁民の生活基盤である海浜地区は、県政府と土地開発業者との結託により、千ムー(約66ヘクタール)ほどが占有された。漁民は自己の合法的権益を守るために、長期にわたり抗議を続けてきた。しかし、地元当局は何度も警察の力で、暴力団を雇い、漁民に対して暴力を振るったり、漁民を強制連行したりしたという。
沙角村漁民は海外メディアに対して、中国農民・漁民生存問題に強い関心を寄せるよう呼びかけている。また、当局に対して、生活に頼る農地や土地を失った漁民に対し、合理的補償および保障を与え、土地問題の早期解決を呼びかけた。
地元漁民によると、8月8日昼ごろから、地元当局は漁民を強制連行し始め、重傷を負い入院している漁民・荘恭区さんも含めて、現在、少なくとも漁民10人が強制連行されたという。