【大紀元日本8月9日】8月7日、英国サリー州フィルフォードの農場に次いで、同発生区内にある別の農場から新たに口蹄疫が発生した。同農場にある102頭の家畜はすべて処分された。農場経営者は落胆しており、他に多くの農場も再発に怯え、殆どの農場が稼動停止状態に陥っている。英国のベン環境保護大臣は、感染拡大を食い止めるために十分の措置を取ることを発表し、農家たちに対して、家畜の状態を厳重に注意するよう呼びかけた。
*農場経営者、下水道による感染の可能性が大
最初の口蹄疫発生した農場経営者・プライド氏は8月7日に声明文を発表した。自社農場は「最高の生物安全標準」に合致しており、6月初旬以降、家畜は農場を離れたことはなかったことから、感染経路は下水道からの可能性が高いとの見方を示した。プライド氏は、1週間前に、農場内の家畜の血色が悪く、唾液が流れていることを発見し、獣医のアドバイスに従って、環境・食糧・農村省に連絡をした後、口蹄疫に感染したことが確認された。
*英研究機構からウイルス流出の疑い
政府研究機構である英動物健康研究所および、個人製薬会社であるメイリア動物健康会社が共有するポブライト(Pirbright)研究施設は、今回の口蹄疫ウイルスと類似する菌株を持っており、先月も同種ウイルスのワクチンを生産したことから、ウイルスが同研究機構から流出した疑いが持たれている。
*生物安全規定違反を否認
ポブライ研究施設を共有する2社部門からは、共に生物安全規定に違反していないと主張。世界的範囲15箇所の生産地を有するメイリア動物健康会社が、年間1億本の動物ワクチン生産していることに対し、政府当局の調査チームは、既に調査を進めている。同社はポブライト研究施設での製造は自主的に中止した。
*洪水が原因である可能性は排除できない
レイノツ英国首席獣医長官は、洪水は口蹄疫感染の原因の可能性もあるとした。現在は全ての家畜に対して、ワクチンの注射を行うかどうかは未定だが、当局はすでにメイリア動物健康会社から30万本の動物ワクチン製剤を購入したと明らかにした。
口蹄疫が発生した最初の農場は7月20日に洪水の被害を受けた。一方、感染した家畜に対する測定では、7月18日から22日の間に感染したとの結果だった。コンピュータによるサンプル分析では、口蹄疫は空気感染ではないことを示している。英国は2001年に発生した全国規模の口蹄疫感染で、約700万頭の羊および牛が処分された。これにより、英国農業および旅行業に大きな打撃を与え、約80億ポンド(約1兆9200億円)の損失をもたらした。