【大紀元日本8月14日】中国大陸において、新型の高病原性PRRS(豚生殖器・呼吸器症候群)が発生してから、7月までに、全国25の省にわたる養豚農家は殆どが感染区になってしまった。政府当局が公表した数字だけでも16万5千頭あまりの豚がPRRSに感染したという。しかし、中国当局は対外にはすべての情報を公開していない上、これまでにも疫病情報を明らかにしていないことから、感染拡大の可能性が高いとみられる。
大陸の豚肉価格の高騰は止まることなく、多くの地区ではすでに3~4割まで値上がりしており、民衆の不満が町中に溢れている中で、価格高騰の原因がPRRSであることが明らかにされた。昨年6月以降、広東省、湖北省、天津などの地区では、多くの豚が高病原性ウイルスに感染され、豚の耳が青くなり、高熱が続き、呼吸困難に陥り、死亡に至るという。
統計によると、今年7月までに、大陸ではすでに4万5千頭以上の豚がPRRSによって死亡しているという。新型PRRSは中国各地へ感染拡大しており、疫病感染拡大は豚肉の価格高騰をもたらし、人々を不安に陥れている。
「聯合報」によると、中国農業部は養豚農家に対して「屠殺、食用、販売、輸送を禁止し、死んだ豚に対して、無害処理を行うこと」を下達しているという。江蘇省の農民によると、感染した農村は「村を封じられて」から、上層部に派遣された関係者による厳重な警備と徹底的な消毒作業は、SARSおよび鳥インフルエンザ感染時に比べ、いっそう甚だしいものがあるという。
中国農業部「獣医公報」によると、昨年6月にすでに12の省でPRRS感染発生が計28回あったという。その中で、感染数量の最多が広東省であり、報告症例は543頭だった。また、湖北省で昨年9月、1カ月間で5100頭の豚が感染死し、累積で1万3837頭に上った。今年1月、北京と隣接する天津市で初めてのPRRS症例が発表された。
*養豚を恐れる農民たち
PRRSは豚を致死させ、母豚は流産する結果をもたらすことから、農民たちはそれを恐れて、養豚を止めている。江蘇省、山東省、河北省、安徽省の農村では、殆どが養豚を止めているという。調査によると、これらの地区における養豚農家はすでに30~50%が減少しており、一部の農村ではさらに80%以上が減少し、豚肉市場の供給源に深刻な影響を与えているという。
*政府側の感染情報隠蔽
一方、中国当局はPRRSに感染した豚の肉は熱を良く通していれば、食しても大丈夫だというが、農業部が発表した「屠殺、食用、販売、輸送を禁止する」ことに相反している。中国農業部は民衆に対し、PRRS感染した豚肉を食した場合にもたらされる影響と結果について、一切の公布はなかった。
世界動物衛生組織(OIE)によると、中国当局は昨年下半期において、PRRS情報を流したが、今年は関連情報もなく、国際社会へPRRS感染情報の公開もなかったという。
*SARSの二の舞か
5年前に重症急性呼吸器症候群(SARS)が大陸各地で感染拡大したことに対して、大陸メディアは「突如の災難」と呼んでいる。実際、2002年11月16日に、広東省で最初のSARS症例が発生した。しかし、2003年4月11日に胡錦濤が自ら同省を視察した後、衛生部長の張文康氏および北京市長の孟学農氏に対してようやく処分を行った。しかし、そのときはすでに5ヶ月が経ってしまった。この5ヶ月間が感染拡大において重要な時期で、結局、広東省、香港、カナダ、シンガポール、北京等地へ感染拡大し、多くの死者を出した。
SARS情報の隠蔽は、中国政府関係者が計画を立てるときに十分工夫を凝らしていないことが残らず暴露し、国内外の厳しい非難を招いた。