【大紀元日本8月24日】中国官製メディアによると、中国のエイズ(後天性免疫不全症候群)感染経路はこれまでの麻薬の静脈注射から、性交渉に取って代わられたという。中国のエイズ感染は特定な危険行為を有する人々から、一般の人々へ広がる傾向を示している。
報道によると、中国でエイズ感染者は65万人に達していると推計されている。しかし、多くの人は感染の実態を公表したがらず、さらに当局も意識的に感染者数を圧縮しているから、正確な感染者数が掴みにくい。
中国政府側の報告によると、2005年に7万人の新規エイズ感染者が検出されて、その半分近くは性交渉による感染であり、性交渉による感染者の人数は初めて麻薬の使用による感染者を越えた。この情勢変化は、中国のエイズ予防および治療の策略にも深い影響を及ぶとみられている。
中国では、かつて、輸血はエイズ感染の主要な経路で、その次は麻薬常用者および同性愛者などの特定な危険行為を有する人々の間の感染であった。防疫部門は、今まで主にこれらの人々を中心に予防と治療の対策を講じてきたが、これからは、社会全体に対して、性交渉の安全性を注意するように呼びかけなければならないことになる。
中国の経済改革とともに、人々の性に対する観念が変わっており、さらに数千万の農村から都市部に出稼ぎの労働者は、妻子と長期に別れた状況で居住している。これによって、性行為の変化に大きな影響を与えている。
ある調査によると、現在、中国で性能力が活発な年齢層の男性の10人に1人は、売春婦を性の相手にしている。たとえ、売春している女性が、エイズ予防に関する常識をもっていても、男性の顧客にコンドームを着用させるのは、非常に困難なことである。
その他に、婚前の性交渉も現在の中国社会では普遍的に受け入れられている。しかも、その普及の程度は、政府の対応する能力を遥かに越えている。
中国のエイズ感染予防計画は通常では小規模で行っており、非政府団体の参与および各種宣伝活動は、ある程度許可されているが、ほとんど厳密な監視下に置かれている。
一方、個人情報保護の不備で、エイズウイルスに感染している可能性があっても、人に知られたら差別されることを恐れて、病院へ検査に行かないケースが多いという。