【大紀元日本9月10日】アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会合で、取材を担当した大紀元のサラ・アン・マシスン記者が9日、開会式で胡錦涛中国国家主席の撮影を阻止されたほか、同記者の動きを監視する警備員が一人つけられ、取材活動を制限された。同記者によれば、中国側の圧力による監視であることを警備員は明らかにしたという。また、本紙記者以外に数社の記者が、開会式で場所を移動させられ、取材の機会を失ったという。
豪州シドニーの地元紙「デーリー・テレグラフ」は7日、APEC取材から中国メディアを閉め出すブラック・リストの存在を報じた。「APECを主管する豪州政府は、中国語メディアのブラック・リストを作り、これらのメディアに対し、通行許可書を交付はするが、会議場への入場許可書を発行しない。ブラック・リストには、政府と良好関係を持つ新聞社も含まれている」と報じた。豪州外務省は、リストの存在を否定した。
報道によると、このブラック・リストは14社のメディアが登録された。登録されたメディアは、中国共産党による法輪功迫害、人権侵害を報じたことがある。ブラック・リストに掲載された以外にも、一部のアジア独立メディアに対して「各国首脳への取材については、直ちに拒否」というもの。ブラック・リストに載せられた根本的な理由は、中国政府の法輪功迫害、人権侵害を報じた経緯があることのようだ。
ブラック・リストに載せられた本紙は、中国当局が隠ぺいしたSARS発生をスクープした。最終的に、中国当局は、SARS情報の遅延で350人の中国人の命を奪ったことを認めた。
デーリー・テレグラフの報道がネット上で公開されると、ブラック・リスト問題は瞬く間に話題になった。中国政府を気遣う豪州政府に対する理解への意見もあったが、多数は、中国当局の圧力に屈した豪州政府の姿勢に失望を示した。
豪州大紀元は今日、記者会見を開き、豪州政府に中国当局の干渉を受けないよう呼びかける考えだ。