欧州議会副議長、北京五輪は「虐殺オリンピック」=香港

2007/09/12 更新: 2007/09/12

【大紀元日本9月12日】 欧州議会のマクミラン-スコット副議長は9月9日、香港での記者会見で、中国当局の法輪功学習者に対する弾圧がジェノサイドに当たるとし、2008年の北京五輪が「虐殺のオリンピック」になりかねないと懸念し、北京五輪に反対する意向を示した。また、スコット副議長はブッシュ大統領に対し、北京五輪開幕式に出席しないよう呼びかけ、欧州連合に対し、北京五輪への不参加を議論するよう提案した。

スコット副議長は、昨年5月に中国の人権問題を調査する目的で北京を訪問した際、かつて監禁されていた2人の法輪功学習者と面会した。面会後、2人は再び逮捕・監禁されたという。同副議長は、「2人は甘粛省第3監獄で残酷な拷問を受け、独房で強制洗脳を受けている。毎日、4、5人の犯人が彼らを見張り、虐待している。我々は救援ルートを探っている」と説明した。

同副議長は、中国国内で行われている法輪功学習者に対する弾圧はジェノサイドに当たると指摘し、「いまの中国では、中国人を対象とするジェノサイドが行われている。被害者は法輪功学習者である。国連人権委の特別調査官は拷問に関する報告書で、中国で監禁・拷問されている人のうち、3分の2は法輪功学習者であると指摘している…法輪功学習者の弁護を引き受けた国内の人権派弁護士・高智晟氏と電話会談する際に、彼は、約25万人の法輪功学習者が監禁されていると話した」と指摘した。

ブッシュ大統領が北京オリンピックの開幕式への出席を表明したことについて、同副議長は、「レーガン元米大統領が在任中の1987年、米議会は韓国政府に対し、民主化を進めなければ、ソウルオリンピックをボイコットするとの決議を採択した。米議会の圧力で韓国の民主化は一気に進んだ。ブッシュ大統領は中共に監禁されている中国人に対し、同様の責任と義務を果たすため、行動を起こすべきだ。欧州連合に対しても、各人権団体と個人の人権報告書を議論することを提案している」と発言、中国国内で生きた法輪功学習者の臓器を強制摘出する蛮行が起きている今、北京五輪がジェノサイド五輪と称されるのは当然であると語気を強めた。

同副議長は、「1936年、ナチスドイツがオリンピックを主催した際に、収容所というものはあったが、監禁中の人は隔離されただけで、処刑されていなかった。しかし、いまの中国では、少なくとも7千万人が虐殺された。しかも、法輪功学習者は法輪功修煉の放棄を強要され、拷問と臓器強制摘出の対象となっている。中共政権は殺人とジェノサイドを継続する以上、北京でのオリンピック開催をさせてはならない」と強調した。

中国当局に侵食される香港の自由

また、中国の人権状況の改善を求めることを目的とし、現在進行中のグローバル人権聖火リレーについて、同副議長は賛同の意を表した。さらに、リレーの終点である香港の自由と人権が中国当局に侵食されていると憂慮し、現地の民主活動家による更なる奮闘と努力が重要不可欠と話した。

同副議長は、「中国国内での民主、人権、法律の執行、報道の自由を実現させるために、香港はけん引役として期待されているが、香港市民は香港がすでに中国共産党の制度に包囲されていることに気付いたはず。警察当局による人権侵害が増え続け、中国と香港当局に情報を提供する秘密警察の存在がすでに確認されている。このようなことが香港で発生しているのは、誠に残念なことである。私はこれらの情報を欧州にも伝えたい。人権聖火リレーの終点を香港に定めた理由はここにある。香港人は、自由と権利を大切にすべき、しかも、状況を維持するために、絶えず抗争しなくてはならない。そうしないと、中国当局からこれらの自由が簡単に奪われる。香港も中国共産党に制御されてしまう。

スコット副議長は欧州議会のベテラン議員で、中国当局による国民への迫害を厳しく非難し続け、中共は世界歴史上において、最も残虐かつ凶暴な政権であると形容している。昨年、法輪功学習者が生きたままで臓器を強制摘出されたことが発覚し、同副議長は法輪功迫害真相調査連盟(略称・CIPFG)に参加すると宣言し、全世界300人以上の各界の有識者と連携して、中国当局に対し、法輪功への集団迫害の停止を要求し、監獄や、強制労働収容所などの監禁施設への独立調査を求め続けている。

(記者・林怡、曾嘉連、翻訳・叶子)

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