【大紀元日本10月13日】中国当局と欧州が宇宙開発の領域において協力関係を強化していることが、米国の関心を呼んでいる。中国側が欧州の企業を介して米国の先端宇宙開発最新を得て、関連研究を加速させるのではと、米国は憂慮している。
米国VOAは、「中国国営のロケット発射の企業がフランスのTHALES SA社との協力関係が日増しに強化されている。THALES SA社は国防軍事関連や商業衛星のメーカーである。このことが米国政府と議会の関心を呼んでいる」と報じた。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は米議会議員と政府関係者の話を引用し、中仏協力は米国の宇宙開発事業に競争をもたらすほか、国家安全と輸出制限に抜け道が生じることも心配されていると報じた。THALES SA社は米国防省の重要建設プロジェクトの下請け業者でもあるためだ。米国側は、中国はTHALES SA社を介して米国の先端宇宙開発技術を手に入れるのではと憂慮している。
THALES SA社は欧州最大の国防電子機材のメーカー。通信と監視衛星を含め、軍民両用の宇宙、航空、交通、通信などの機材を生産、ボーイング社や、武器製造のロッキード・マーティン社などと広範囲で協力関係を持っている。
米国VOAは、「過去10年間、THALES SA社と中国の関係が日々進化している。双方は南京市、北京市で電子機材と宇宙通信の合弁企業を設立し、商業衛星の打ち上げの分野においても、協力関係を深めている」と報じた。
中国の商業衛星領域における発展は米国の警戒を呼んでいる。米国際技術と貿易協力社のダイク氏は、中国が米国の宇宙技術を利用して、自己の宇宙開発事業を発展させ、場合によっては、宇宙武器を製造できる可能性があると懸念し、「米国政府が主に心配しているのは、米国の宇宙、ロケット発射、衛星技術が漏洩されること。中国の欧州商業パートナーの中には、米国の軍事産業の企業とも協力関係があるものも入っている。ワシントン側が最も心配しているのは、これらの欧州企業が米国の技術を中国に漏洩させてしまう可能性があることだ」と述べた。
今年7月、米商務部は対中ハイテク製品輸出の最新管理条例を発動し、潜在的軍事用途を有するハイテク製品の対中輸出規制リストを拡大し、特に宇宙と航空事業において、対中国輸出の管理をさらに強化した。