【大紀元日本10月13日】中国国内の弁護士と知識人百人あまりは10月9日、李和平・弁護士が違法監禁・拷問などを受けたことについて、中国国務院など公開状を呈し、首謀者の捜査を求め、人権活動家への違法監禁・暴行の制止を訴え、国家機構の暴力団化を抑制するよう要求した。
李和平・弁護士は長年来、低層社会の弱者のために多くの訴訟の代理を務めてきた。9月29日午後、正体不明の暴徒たちが自宅で同氏の頭部に布袋を被せ、拉致した。ある場所に連れて行かれた同氏は6時間にわたりリンチを受け、その間、「北京から出て行け」「余計な首を突っ込むな」と脅迫された。その後、同氏は北京郊外に放置された。携帯電話のカードや、パソコンのハードディスク、案件の資料などは盗られてしまい、ノートパソコンはリカバリーされた。本人はBBC中国語ネットの取材を受け、今回の暴力案件は、自分が受理した法輪功修煉者の訴訟などの『政治的敏感な案件』と関連があると語った。
公開状の発起人は、エイズ感染者を支援する活動家・胡佳氏や、署名した数人の弁護士は取材を受け、以下のように語った。
公開状に署名した広東省中山大学の女性教授・艾暁明氏は、「署名することは、李弁護士と同調することを意味する。すなわち、自分も同様な恐怖にさらされるかもしれない。非常に強い圧力を感じた。でも、このような人道に対する罪を目前に、我々は沈黙を保つべきではないから、声を上げた。勇敢だからではない、憂慮しているからである。同様の暴力事件の再発を恐れている、容認できない。どんなに強い圧力であろうと、私は署名する。これは私の唯一の選択肢である」と心情を明かした。
署名したもう1人の弁護士・李建強氏は、「正義を求める1人の弁護士が白昼堂々に拉致され、密室で十数人の暴徒に取り囲まれ、殴られ続け、裸にされ、高圧の電気警棒に打たれ、地面を転げ回った。一方、暴徒たちは満足気に大笑いする。この風景は、李和平・弁護士の屈辱であるが、恥辱ではない。中共当局の恥辱である」と述べた。
署名者の张鉴康・弁護士は、中共が人を屈させる3つの手段がある、まずは利益の誘惑、だめなら、次は脅迫、それでもだめなら、暴力に出ると話し、「この公開状は表面上、立案・調査を行い、関連機構の責任追及を求めているが、真の黒幕は中共政権自身である」と述べた。
発起人の胡佳氏は、国内の人権活動家が一致団結して、当局の恐怖と暴力手段に立ち向かおうとしていると指摘し、李和平氏だけでなく、高智晟・弁護士を含め迫害を受けている人権弁護士と活動家全員のために、この公開状を考えたと説明し、中国の警察、政治および司法体制が全般に暴力団化し、恐怖と暴力手段で国民の反抗の声を封じようとしていると指摘した。
中国当局は1989年の大学生民主運動の再評価を求めた政権異論者・王万星氏を精神病院に10数年間監禁した。胡佳氏も同様な脅迫を受けたことがあるという。