【大紀元日本11月7日】チベット亡命政府精神指導者のダライ・ラマ14世(72)は11月3日に、中国当局がチベットに対して「人口侵略」を行っているとし、中国共産党統治下でチベットにおけるチベット人は少数民族に追いやられていると非難した。
宗教及び平和団体は11月3日、ニューデリーにて集会を開き、チベット最高指導者ダライ・ラマ14世が10月17日、米国が市民に与える最高勲章「ゴールド・メダル」の受賞を祝った。ダライ・ラマは、今回の受賞および1989年のノーベル平和賞は共に、宗教の調和およびチベットのために奔走した努力に対するものだとした。
報道によると、ダライ・ラマは「チベットの首都サラの人口は過去では5~6万人しかいなかったが、現在では30万人にも達している。その内の20万人が漢民族だ」と明らかにし、チベット人は、チベット言語の学習機会が奪われ、寺院も政治化とかしたことから、まさに文化絶滅だと嘆いたという。ダライ・ラマは昨年の青蔵鉄道の開通は「天然資源の剥奪」に利用されると指摘した。
ダライ・ラマは、寺院でダライ・ラマを非難するのを拒否したチベット人は、拘束される場合があることについて、「ダライ・ラマを批判することはとても愚かだ」と苦笑した。
ダライ・ラマは、祝いに駆けつけた外交官、宗教リーダおよびチベット人たちに対して、「完全引退して、次の転生のためにいろいろ用意したい」と政治舞台からも引退したいと語り、「ダライ・ラマは死ぬことがあっても、チベット社会は生き続けるのだ」と明確に表明することを強調した。
ダライ・ラマは1959年に、チベット人が北京当局の統治に抵抗し失敗してから、インド北部のダランラサに亡命政府を置いた。会場で、ダライ・ラマは精神指導者として務め続けたいが、政治面における責任を軽減したいと語り、指導権をチベット亡命政府に移行したいと示した。
1951年中国共産党が軍隊を派遣し、チベットを「解放」させて以来、統治し続けており、これまでに何度もチベット人に対して流血弾圧を行った。ダライ・ラマは会場で、「チベット人は全員恐怖の中で生活をしている」と示した。