【大紀元日本11月16日】来年の北京五輪で海外の選手らが聖書やその他の宗教関連の物品の中国国内への持ち込みを禁止した件で、北京オリンピック委員会は11月8日、個人的な使用に限り認めるとしたが、法輪功(ファールンゴン)には適用しないと発表した。同委員会は、「法輪功は邪教だ」として、「いかなる文字や活動など、法輪功に関わるものは中国では禁止する」とした。これに対し、法輪功スポークスマン・張而平氏は、「法輪功を排除するこうした発表は、明らかな誹謗中傷であり、五輪精神、国際法および中国の法律にすら違反している」と、法輪功弾圧は法的根拠がなく、江沢民前政権の非常識かつ違法な政策であることを強調した。北京五輪委員会委員長は、北京市の劉淇・書記であり、同委員会のナンバー2である第一副主席は、教育部(日本の文科省に相当)の陳至立・部長で、二人とも江沢民派と言われている。
法輪功スポークスマン・張而平氏は9日、「オリンピック精神は人道主義精神を提唱し、すべての人に対する如何なる差別にも反対し、オリンピック活動に参加する社会のすべての人々を公平・公正に扱わなければならない」とした。
欧州メディアおよび宗教報道関係は以前、北京五輪に参加する選手らが聖書などの中国への持ち込みが禁止されるという報道をした。そのため、米議会議員が駐米中国大使館に対して説明を求めたと共に、キリスト教活動団体などからも抗議があった。
これに対して、中国外交部スポークスマンの劉建超氏は11月8日、「中国憲法は、中国公民の宗教に対する信仰または、信仰しない自由を保護し、中国政府は宗教事務を法律に則り厳重に行い、同様に外国人が中国にて行われる正常な宗教活動を保障する」と報道内容を全面的に否定した。
*情報封鎖に躍起の中国当局
元陝西省テレビ局記者の馬暁明氏は、「中共は法輪功を弾圧した当初から、嘘偽りで始まり、民衆の間で真相が分かれば、弾圧も維持できなくなる。特に、五輪開催期間中に、海外選手、記者、政府関係者、観光客ら多くの人々が中国を訪れ、海外の情報、特に法輪功に関する真相報道も流れてくる。中共はそれを恐れて、現在懸命に情報封鎖をしているのだ」と分析した。
*「邪教」呼ばわりで憚らない北京オリンピック委員会
政治評論家の伍凡氏は、中共は今回の発表で、自ら無恥と愚昧をさらけ出したようなものだと指摘した。伍氏は「法輪功は修煉団体だ。海外では尊重され、保護され、支持および表彰もされている。中共は法輪功を排除する権利はないし、中国においても、法輪功が「邪教」というのは、法律にも書かれていないどころか、胡錦濤だって言ったことはないのだ」と非難した。
さらに「胡錦濤すら法輪功を邪教と断定していないし、外交部でさえも、北京五輪で聖書などを禁止した際、法輪功のことについては言及していない。人民日報もそのような誹謗中傷を言わなくなった。北京オリンピック委員会が、法輪功への弾圧当初に使われた誹謗中傷の言葉で、法輪功を攻撃するのは時流に逆らっているようなものだ」と北京オリンピック委員会の独断専行と横暴さを非難した。
伍氏は、胡錦濤が北京オリンピック委員会の発言を放置しておくことは、江沢民の法輪功弾圧システムの継続につながり、将来、この弾圧政策の大罪を背負うことになるため、この事件は「胡錦濤への警告である」とした。
*北京オリンピック委員会のトップは江沢民派
北京オリンピック委員会のトップと次長は、北京市の劉淇・書記であり、同委員会のナンバー2である第一副主席は、教育部(日本の文科省に相当)の陳至立・部長で、二人とも江沢民派と言われている。北京五輪のカウントダウンが始まった8月8日の祝賀式典では、、胡錦濤と温家宝は出席しなかった。
*中共当局、表と裏の両手段で制御
北京人権活動家・胡佳氏は、北京当局は「宗教信仰の自由を保障する」と言いながら、法輪功を排除することのやり方自体が矛盾だ」とし、「自らの信条を堅く信じている法輪功学習者たちは、何故保障される権利がないのか」と問いかけた。胡氏は、世界中にこれほど多くの国で、大勢の人々、各人種が法輪功を学んでおり、正しい信仰であると認められている。何故、中国でのみ弾圧されているのか。それは、紛れもなく中共自身の問題であることを物語っているのだと指摘した。
胡氏は中共側が、その他の宗教にかかわる物品の携帯は可能であり、サービス施設を提供することも発表にしていることを挙げ、「これは、またもや中共が放った嘘偽りだ。その目的は国際社会を騙し、国際世論の支持を得るためである。実際、当局は法輪功を迫害するだけではなく、その他の民間宗教信仰団体をも迫害しており、明と暗の両手段を用い、対外的には緩やかに、対内的には厳しくする手段である。公安部はこれまでに秘密裏で、43項目にわたる五輪競技場の入場禁止を内部通達していたが、当局はそれを公に認めていない」と指摘した。
胡氏は、中国大陸の公民は全く信仰の自由はないとし、いわゆる仏教徒や十字架をぶら下げている共産党員らは信者ではなく、中共の統一戦線および騙すための道具に過ぎないと指摘した。
中国国内および海外の学者や人権活動家たちは、取材に対し、すべての団体の自由は互いに繋がっているとし、宗教や信仰の自由、言論や表現の自由などの権利も係わり合っているのだと強調した。すべての人々が、自己および他人の「信仰の自由」の権利を守るために声を出せば、中共は如何なる人、如何なる団体を制御することもできなくなると人々に対して呼びかけている。