【大紀元日本11月22日】インドのダラムサラで11月17日、チベット人大会チベットが開かれ、亡命チベット人指導者ら500人が参加、チベットの今後の政策及び方針について議論した。今回の会議は、中国政府との協議が進転のない中、ダライ・ラマの呼びかけで開催された。会議では、チベット人の世代間に大きな見解相違が見られた。
今回の会議は1988年以降、大規模なものとしては初めての会議。チベットの独立を主張する若い世代のチベット人に対し、上の世代はダライ・ラマの提唱する「中間路線」を支持した。
ダライ・ラマは、チベットの独立を求めず、チベットの独特な言語、宗教および文化を守るために、中国の統治でチベットの真の自治だけを求めると強調し続け、これが実現できなければ、チベットの未来はないとした。
ダライ・ラマは先月、中国共産党(中共)との「中間路線」の失敗を認め、北京当局との対話に自信を失ったことから、チベットの未来はチベット人自身に選択を委ねると示した。
BBCの報道によると、今回の会議に参加したある女性代表は、「非暴力はわれわれの文化に根付いているが、若い世代の多くは、中共との対話について進展がないことから、挫折を強く感じている」とし、「この状況はかなり長く続いており、ダライ・ラマも疲れが見えてきた」と語った。
チベット問題専門家で、著名作家・王力雄氏は、著作「チベット独立路線図」で、中共統治下のチベット問題が解決しなければ、さらなる大規模の流血衝突が起きると示した。
「少なくともダライ・ラマが逝去した時点で、チベット問題に進展がなく、ダライ・ラマもチベットへ戻れなければ、衝突は避けられないし、チベット地区内の民衆が全員参加する。中国側はまったく予防できないでいる。なぜなら、この情報時代で、ダライ・ラマの逝去情報をもはや封鎖できなくなったからだ。また、チベット人が抗議を起こす際に横の連絡もいらない。何故なら、必ず情報が手に入り、チベット人たちは期せずして行動を共にすることができるからだ」と分析した。
王氏は、「ダライ・ラマの運命はチベット人全員の心の傷である。チベットの最高指導者として、現実社会に生きる菩薩として、ダライ・ラマはチベットの独立を放棄し、チベット文化および宗教を守るために自治する権利のみ求めた。これほど謙虚な態度で示した見返りがなんと辱めである。亡くなっても故郷に帰れず、一生待っていてくれた人民および信仰者たちと会えずに永遠に別れることになる悲痛は何物にもたとえられないほどだ。ダライ・ラマが生きていれば、チベット人はいかなる困難に遭遇しようとも、まだ希望がある。しかし、ダライ・ラマが亡くなれば、希望は絶望に変わり、恨みが恐怖を抑え込み、衝突は大規模に発展するだろうし、チベット独立のスローガンも実際の運動へとつながっていく」と分析した。
王氏はその文章で、「もし中国がある日、チベットを失ったら、原因は決して民主ではなくて、専制である。専制政権が中国統一の保証と見なしている中国の『愛国者』らは、むしろ専制を要し、分裂は不要と訴えるが、実は反対であり、専制が分裂をもたらしたのだ」と断言した。
王氏は、「チベット人の流血弾圧がより多ければ、チベット独立への国際社会の支持は強まる。この点において、中国の武力弾圧が効果を失うだけではなく、完全に正反対の作用をもたらしている。すなわち、チベットの独立を実現させているのだ」と強調した。