【大紀元日本5月23日】インドのカルナタカ州のマンガロール空港で、現地時間で22日午前6時頃、ドバイ発ボーイング737−800機が、滑走路を飛び越え、森に落ちて炎上。乗客166人のうち158人が死亡した。現在、少なくとも146人の遺体が確認されている。
乗客の多くは、主に中東のドバイから帰省するインド人の出稼ぎ労働者とその家族だったと思われる。インドのPTI通信によると、サウジアラビアで働くサミールシャイフさんの家族は、インドの祖母の葬式に参加するため、事故に遭ったフライトを利用。しかし、シャイフさんは、フライトに間に合わず、別の便に乗ることになった。このシャイフさんを除き、一家16人全員が死亡した。
また、インドの親戚の結婚式に出席するために搭乗した「ガルフ・ニュース」に勤務の女性職員と夫や娘一家も、事故に遭い亡くなったとPTI通信が伝えた。
「ただ飛び降りた」
着陸は最初は円滑だったが、何の予告もなく墜落したようだ。「地面にタッチダウンした瞬間、航空機が跳ね,何かにぶつかった。そして中央から裂け、炎上した。ただ、その隙間から飛び降りた」という、生存者KP Manikuttyさんの証言をBBC ニュースが伝えている。
現在、原因究明の調査が進められている。
経営難に悩むエア・インディア
墜落したエア・インディア・エクスプレスは、エア・インディアの格安フライトにあたる。ロイターの報道によると、2009年3月締めの会計年度で、8億7千5百万ドルの損失を計上している。
グローバルな景気後退、新航空機の支払い、安定職にしがみつく職員、一時しのぎのような合併、民間航空会社との競合のプレッシャーなどの課題にエア・インディアが喘いでいる矢先の事故となった。
また、米紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、親会社であるインド国有航空会社(National Aviation Company of India Ltd)が、2010年3月締めの会計年度で12億ドルの損失が推定されており、世界で最も損失の高い航空会社に挙げられると報道。インド政府の抱えるかなりの金融問題となっている。