【大紀元日本6月3日】日本でも人気の高い茶器・宜興(ぎこう)紫砂壺。原料である「紫砂」という江蘇省宜興に産する陶土の成分が中国茶の珍味を引き出すことが特徴だが、現在中国市場で出回っている多くの紫砂壺には「紫砂」が使われていないと、中国国内メディアが報じた。これらのニセ「紫砂壷」は普通の土に化学薬品を混ぜたもので、お茶を入れると、発がん物質が染み出す恐れもあると伝えた。
報道によると、「中国の陶都」と呼ばれる宜興で購入した15個の紫砂壷の成分について、上海材料研究所で測定を行ったところ、13個からバリウム、マンガン、コバルト、クロムなどの重金属成分が高い数値で検出された。特に青色壷から検出されたバリウムは正常値の何百倍にも上り、長期的に使用すると、有毒な化学物質がお茶を通して体内に取り込まれ、がんになる可能性もあるという。
近年、宜興の天然紫砂は無計画な採掘により急激に減少し、価額も急騰して来た。多くの紫砂壷メーカーは原料費を抑えるため、普通の土に鉄粉や化学薬品を混ぜ、紫砂らしいニセモノを作り出しているという。このような「化学土」はもう何年も紫砂壷製作に使われて来たと現地の陶芸家は語る。
宜興には紫砂壷専門店が何千軒も立ち並ぶ。「天然紫砂」や「名家作品」などと称し、数千円から数万円で売られる「高級品」の多くも実は「化学土」から作られた「化学壷」で、「私たちはそのようなものは使わない」と漏らす店主もいた。
ニセ紫砂壺の報道は、中国国内で大きな話題を呼んだ。注文を取り消す業者が続出しており、一般消費者も敬遠する風潮が広がっている。専門家は、壷に釉薬(うわぐすり)が塗られており、使っていて不自然な輝きがあったり、地肌がざらざらしたりするものは、ニセモノである可能性が高いと指摘している。
(翻訳編集・張YH)