【大紀元日本6月9日】ノルウェーを拠点とする反軍事政権の放送局「ビルマ民主の声」は4日、ミャンマー軍事政権が北朝鮮の協力で核兵器の開発に着手した疑いを指摘する報告書を公開した。
同報告書には、核兵器の開発に関わったミャンマーの元陸軍幹部サイ・テイン・ウィン(Sai Thein Win)が亡命した際に持ち出した数千名の写真や書類を証拠として挙げている。同軍事政権がウランの実験を行っていることや、ウランの濃縮施設や、原子炉を建設する専門設備を保有していることを、これらの証拠は示した。
報告書は、「核兵器の完成にはまだほど遠い」としながら、軍事政権は北朝鮮の協力の下で核兵器と長距離ミサイルを開発していると指摘した。
軍事政権の国防エンジニアであるサイ・テイン・ウィンは、ロシアでミサイル開発の訓練を受け、ミャンマー北部のマンダレーの秘密原子力施設にも出入りし、核兵器の開発に参加していたという。同幹部は、「彼ら(軍事政権)は核ミサイルの開発成功を目指している。それは彼らの主な目標である」と証言した。
報告書を閲覧した国際原子力機関(IAEA)の元査察官で、米国原子力専門家ロバート・ケリー氏は、同軍事政権が核兵器開発に利用するウランの採掘を行っている可能性を指摘した。
さらに報告書は、北朝鮮は本件に関して同軍事政権に協力しているとも報じ、地下施設の建設や、射程3千キロのミサイルの開発にかかわっているという。
一方、ミャンマー軍事政権は一貫して、この事実を否認している。
昨年6月、国連安保理は北朝鮮に武器禁輸の制裁措置を発動したが、実行状況を監視する国連専門家は先月、北朝鮮はイラン、シリア、ミャンマーに原子力とミサイル技術を極秘に提供していると発言した。
アルジャジーラテレビ局も同報告書の内容を報道し、国際社会の関心を集めている。それにより、米国上院外交委員会の東アジア太平洋問題小委員会のジム・ウェブ小委員長は、予定していたミャンマー訪問を急遽取りやめ、事実関係が明らかになるまで訪問を先送りすると発表した。