【大紀元日本6月13日】この春、百年に一度の干ばつで最も深刻な旱害に見舞われた中国西南地区の貴州省で、イネミズゾウムシによる稲への深刻な被害が拡大している。
「新華社」9日などの報道によると、貴州省の13県(市区)の40以上の郷(鎮)、296以上の村でイネミズゾウムシが大量発生。7日までの蔓延地域は、3.4万畝(約23アール)に上るという。一方、貴州省地方政府のサイトでは、4日までの蔓延状況は4.9万畝(約33アール)の稲田に及んでいると伝えている。(※1畝は6.667アール]
イネミズゾウムシの被害により、稲の収穫は50%減少。稲が全滅するおそれもあると「新華社」は伝えている。
害虫の影響が最も深刻な地域の一つ、平壩県の村民は、今回の疫病状況の出現は、大干ばつと気候が、例年よりも多くの害虫をもたらしたことに関係すると語る。
現在、村民総出で殺虫剤を散布しているが、最終的に蔓延を食い止められるかは分からない。稲の収穫が減る可能性を危惧していると村民は漏らしている。
イネミズゾウムシは北アメリカに分布する稲の害虫で、体長2.5ミリから3.8ミリ。80年から90年に中国渤海湾地区、浙江省などで発見され、2000年には内陸部の多くの省で発生した。特に東北の遼寧省や南方の稲作の盛んな多くの省で、深刻な被害をもたらした。日本では76年に愛知県常滑市の水田で発見され、以後各地への分布が拡大している。
この他、貴州農業の情報ネットによると、西南地区に強い耐乾性をもつ「紫茎澤蘭(学名:Eupatorium Adenophorum Spreng)」が深刻な被害を引き起こしているという。6月9日、貴州省の晴隆県では6千人近い人々がこの侵略的な外来種の駆除を行った。
昨年8月以来、同省では、大干ばつにより牧草や植物が枯死。耐乾性に優れた紫茎澤蘭が荒れた傾斜地や耕地、溝渠を占拠するようになった。晴隆県は、同省では紫茎澤蘭の最大被害地区の一つで、その繁殖面積は57.73畝(約385アール)、県の総面積の29%を占めている。また、この蘭の繁殖によって、1万頭以上のヤギが中毒死している。