【大紀元日本6月16日】食糧危機から、北朝鮮の朝鮮労働党は先月、国民への配給を中断し、ヤミ市場での食品購入の禁止令を解除したようだ。韓国の北朝鮮支援団体「良い友達」が14日に明らかにした。中国政府からの食糧援助がまだ届いていないためだという。米VOA放送が報じた。
韓国の仏教団体「良い友達」(the Good Friends)の責任者、智光・住職によると、北朝鮮の労働党組織指導部が5月26日にこの命令を下した。各企業と個人が自力で食糧を工面してもいいという内容である。「北朝鮮の厳しい情勢を自ら認めた、あるいは、食糧危機を回避する努力を放棄したと解釈できる」と同氏は指摘する。
数十万人の死者を出したと見られる90年代の大飢餓が発生して以来、金正日政権は食品の自由売買の禁止をある程度緩和していた。しかし、近年、その取締が再び強化したという。
去年11月の貨幣の改革が失敗したため、食糧不足は一層深刻になったものと見られる。
今春の気温は例年より低かった上、化学肥料の供給も不足。韓国政府系経済研究機関「韓国発展研究院」は、北朝鮮の各地で再び大規模な農作物不作を警告している。
今年3月に、韓国の哨戒艦「天安」が北朝鮮の魚雷に撃沈された事件が発生した後、韓国は北朝鮮への食糧援助を大幅に減らし、ほかの物質援助もほとんど中止した。
国連の食糧支援機関「世界食糧計画」や欧州連合などは、北朝鮮に食品と人道主義の援助を行っているが、状況の改善は困難なもよう。
(翻訳編集・叶子)