【大紀元日本6月21日】石油、鉱山、港、更に土地。金融危機に苦しむ世界の国々に手を伸ばし、買収を急ぐ中国の、今回の目標は世論主導のメディア。このほど、ワシントン・ポスト紙傘下の「ニューズウィーク」の売却に、中国メディア2社が共同で買収に名乗りを上げた。しかし失敗した。
失敗の原因について、「買収価格の問題ではない」とその一社の「南方報業伝媒集団」の責任者が話した。
「ニューズウィーク」は1933年に創立、1961年にワシントン・ポスト紙に買収された。今年5月初めに、ワシントン・ポスト紙は、赤字経営が続く「新聞週刊」の競売を公表した。
今回の競売に参加したのは、中国国内のメディア運営企業「成都博瑞伝媒有限公司」と大手メディアグループの「南方報業集団」。国内の投資ファンド2社と組んで、共同で「ニューズウィーク」の買収を提案した。
政府メディア「チャイナデイリー」の報道によると、「南方報業集団」の総編集長・向熹氏は、今回の買収が失敗した原因は、買収価格ではなく国籍の問題であると見ている。「米国側は中国のメディアを真の意味で理解していない」「もし、我々が米国メディアだったら、状況が変わっていたかもしれない」と述べた。
今回の買収の詳しい状況について、向熹氏は、守秘義務があるとして明かさなかった。
一方、同氏は、海外メディアの買収を断念しておらず、「他の投資家と連携して、別の外国メディアの買収を検討している」と発言した。
社会問題に突っ込んだ報道がしばしばなされることで大衆から人気を得ている「南方報業集団」だが、国内のネット利用者の間では、同紙の買収行動に否定的な意見が多く見られる。「米国人は、共産党支部が立ち上げられるのを恐れているのではないか」「全国民が中国共産党に洗脳されるのを恐れているのじゃないか」など、今回の失敗について、ネット上の掲示板で辛口の書き込みが飛び交った。