【大紀元日本6月26日】「インドの製造業の競争力は、今後5年間で、中国に急速に近づく」。世界4大会計事務所の一つデロイト・トウシュ・トーマツ(DTT)が24日に発表した「2010世界製造業競争力指数」がこのように示した。
この報告書は、デロイト・トウシュ・トーマツの製造業部門と米国競争力委員会が共同で出したもので、世界の400人のCEOと製造業の高級管理者に対して行ったアンケート調査に基づいて作られた。
同報告書によると、先進国と発展途上国の計26カ国を対象とする製造業の競争力指数評価では、中国は10点で第1位、インドは8.15点で2位、そして今後5年間、中国は現状維持なのに対し、インドは9.01点まで躍進し、中国との差が大幅に縮まるとした。
デロイト・トウシュ・トーマツの製造業部門の主管は、「インドの成長の勢いはとても強い。今後5年間で、世界で確固たる地位を確立できるであろう」との見方を示した。また、多くのグローバル企業の管理層の間では、インドの研究開発の領域における優勢に加え、工学的技術力、ソフトウェア開発力、技術の統合力など、21世紀の革新力主導の製造業にとって重要不可欠な要素がそろった、との見方が強い。
同報告書はさらに、大手製造メーカーの管理層は次第に、インドを世界市場に通用する革新型製品の設計・製造基地と見なすようになったと評価した。「インドは低コストのサポート的な地位から、徐々に世界経済システムの重要メンバーに変わっていく」と同報告書は指摘、多くの企業のグローバル戦略と地域戦略にとって、インドの重要性は日増しに増大しているという。
報告書に記された世界の製造業の競争力指数では、インドと中国のほか、韓国、米国、ブラジル、日本、メキシコなども上位にランクインした。日本は5.11点で6位にランクインしたが、5年後には4.74点で7位と、わずかに順位を落とすと予想されている。