【大紀元日本6月27日】「中国と日本のサッカーの距離は、北京-東京ぐらいかと思ったら、北京-ケープタウンくらいの距離があった」。日本の16強入りが決まった4時間後に、中国のウェブサイトにこんな記事が掲載された。「中国のサッカーファンは呆気にとられた その差はもはや雲泥の差」と題するこの記事は、「いつになったらわれわれのサッカーは、韓国がギリシアに勝ったように、日本がデンマークに勝ったように、ワールドカップで1つでもゴールを決められるのか」と嘆いた。
ワールドカップに燃える隣国、日本と韓国の思わぬ健闘ぶりに中国のサッカーファンの思いは複雑。「アジアサッカー」の勝利に喜びを感じるよりも、「おいてけぼり」感が強まっているようだ。
「黄色人種は小さいボールは強くても、大きいボールとなるとだめだ。こんな言い訳を長年自分に言い続けてきた。しかし、韓国は自らのサッカーでそんなことはないと証明した。そして日本も……むしろ、もういい訳はない」。同じ黄色人種だからこそ持つライバル意識。韓国にだけは負けたくない、日本にだけは負けたくない、そんな中国人が持つプライドが、今回のワールドカップでのライバルの快進撃と共に砕けていった。
一方、中国サッカーのラフプレーに、目に余る選手の素養の悪さ、高給取りなのに一向に進歩しない技、頻発する八百長事件に、業界トップの逮捕、国内サッカーに幾度なく裏切られた中国のサッカーファンは、日本の真摯なサッカー、「きれいな」サッカーに、純粋に頭の下がる思いでもいるようだ。
また、日韓の決勝トーナメント入りは、中国にとっても大きなメリットがある。それは次回のワールドカップのアジア枠が減らずに済むことだ。これで中国サッカーにも微かな希望が見えた。「日韓が勝ってよかった」とのネット書き込みにこれを理由に挙げた人が多い。
アジア枠のためには勝ってほしい、しかし、ライバル意識からは勝ってほしくない。自国サッカーに対するイライラ感、ライバルの成長から感じる「おいてけぼり」への焦り、羨ましくも悔しい、そんな焦燥感のなかで中国のサッカーファンはワールドカップを見つめている。