【大紀元日本7月2日】中国と台湾の「両岸経済協力枠組協定(ECFA)」および知的財産権保護協議が締結する直前に、福建省アモイ市政府の観光誘致の公共CMが、台湾観光局のCMを盗作した疑いがもたれている。歌のメロディはほとんど同じもので、映像も数箇所が完全に同じである。台湾観光局はすでに中国側に対して、同CMの放映中止を求め、場合によっては法的手段も辞さないと表明した。
6月29日、両岸政府は「両岸経済協力枠組協定」および知的財産権保護協議に合意した。一方、前日の28日、アモイ市政府が去年10月に公表した同市の観光誘致の公共CMが、台湾観光局のCMを盗作したものである疑いが浮上した。
問題のCMは、5分16秒、5分21秒、5分29秒時点の三箇所のシーンが、台湾のCMとまったく同じ映像である。最後の約1分間の背景音楽も、台湾の人気ソング「Touch Your Heart」のメロディである。
5分16秒:満面の笑みの中国人男性(ネット写真)
5分21秒:中国の伝統芸能の衣装に酔いしれる一人の外国人男性(ネット写真)
台湾観光局によると、同CMは2005年に同観光局が香港の「盛世・広告制作会社」に依頼して制作したもので、同観光局がその100%の著作権を保有しているとのこと。
同局の幹部・頼麗幸氏によると、台湾政府はすでに本件について中国側に説明を求めている。盗作を行ったのは、アモイ市政府なのか、それともCM制作会社なのか、同観光局はこれから調査を行う。それを踏まえて、損害賠償を求めるかどうかを決めるという。
台湾の立法委員(日本の国会議員にあたる)黄偉哲氏は、「アモイ市が売り込もうとするのは、観光なのか、それとも中国のパクリ文化なのか」と皮肉り、本件の行方は、締結したばかりの両岸知的財産権保護の協議の実効性を試せる、との見方を示した。
中国では、知的財産権の侵害は非常に深刻である。iPhone、iPadのようなハイテク製品の模倣品や、マクドナルド、スターバックスの商標権の盗用のような事案が続出する中、政府機関にも盗作の疑惑が相次ぎ浮上。
記憶に新しいのは、5月に開幕した上海万博で、1千万元(約1億3千万円)以上の巨額の制作資金を投じたというテーマソング『2010等你来』(2010はあなたを待っている)が、岡本真夜さんのヒット曲「そのままの君でいて」の盗作だった。