【大紀元日本7月12日】現場の状況は「寂しい」 の一言。民主党開票センターが設置された東京・赤坂のホテルは閑散としていた。開票がスタートしてまもなく「過半数割れ」が報道され、マスコミや関係者たちが近くの自民党本部へ出かけてしまったからだ。ホテルに残った記者たちも、当確を表す赤い花の数と比例して「人が少ないな」とつぶやいた。
11日に行われた第22回参院選は当日夜に開票され、始まってすぐに「民主過半数割れ・ねじれ国会へ」と報道された。与党・民主党の44議席にとどまり、獲得議席で自民党の51を下回った。結果を分析し、まとめるため、党代表発表を予定時間の1時間半も遅らせた菅代表は、敗因を「消費税に触れたことが唐突な提案だと国民に受け取られた」と、増税案について説明不足を述べた。
責任問題については「政権運営の中で見守っていただき、判断してほしい」菅代表は、過半数割れでも党首続投の意を示している。
定数5議席を24人で争われた激戦区・東京で当選がいち早く決まった蓮舫氏も、過半数割れの知らせを受けて喜びの半面、苦い表情を見せた。「政権交代の成果として、事業仕分けなど目に見える形にはなってきたものの、国民にはまだその実感がない」と選挙戦の感想を述べた。
一方、開票直後から勝利ムードに沸いた自民党本部では「こういう審判をいただいたことに感謝したい」と谷垣禎一自民党総裁は人差し指を空へ指す「一番」の勝利ポーズで喜びを表現。候補者の当選確定の連絡を受け「菅総理は衆院を解散し、国民の信を問うべき」と話した。
今回10議席に届く躍進を見せたみんなの党(渡辺喜美代表)は、民主からの連立については「アジェンダ(政策課題)が違う。ありえない」と言明した。しかしデフレ脱却など、政策ごとの一部に限った連携はありうると、部分連合の可能性を示している。(記者・飯村)