【大紀元日本7月14日】韓国の哨戒艦「天安」の沈没事件をうけ、対北朝鮮制裁措置の一環として、米韓両国は沈没現場の黄海で共同軍事演習を行うと決定した。しかし、中国当局からの強い反発で、黄海では実施しない方向となり、日本海か韓国南部の海域に変更される可能性が高いという。
公海で行う予定の米韓両国の軍事演習は国際法に違反しないと認めていた中国政府は先週、中国の領海に近い黄海での大規模軍事演習に反対すると正式に表明した。中国外交部の秦剛・報道官は同日の定例記者会見で、外国の軍艦が中国の領海に近い黄海に入るのに断固として反対すると示した。
中国共産党の機関紙「人民日報」傘下の「環球時報」は、同日の社説で同軍事演習について、「中国の国家安全保障への明確な挑発である」と評した。軍部の羅援少将は、「米国空母がもし現れたら、(我々の)標的になる」と述べた。
中国側の反応に対して、韓国国防省の金英善・報道官は8日、「今回の軍事演習は『天安』艦撃沈事件への対応の一環であり、韓米両国の同盟関係に基づいて実施している。わが国の状況に沿って、独自に下した決定である」と主張した。
韓国紙「東亜日報」の社説は、中国も6月30日から7月5日まで、東シナ海で新型防空ミサイルなどの軍事演習を行ったことを挙げ、中国には公海での他国の軍事演習を干渉する権限がないと非難した。また、同社説は、中国政府に対し、46人の兵士を無くした韓国の被害者の立場に立って、事件の再発防止のため、北朝鮮を庇護しないよう訴えた。
一方、中国の強い反発に配慮し、米韓両国は中国政府に妥協する姿勢をみせている。同軍事演習は、「天安」艦沈没事件の現場である韓国西部の黄海ではなく、東海(日本海)または南海で行われる案が検討されていると、韓国紙「中央日報」が報じている。