【大紀元日本7月17日】中国の富裕層が日本の不動産に投資するケースが、ここ1、2年で急増している。多くの中国人富裕層が日本を訪れ、大都市や別荘地で不動産を購入しているという。中でも、東京都内の高級マンションや北海道の別荘などが人気のようだ。12日付けの中国新聞網が伝えた。
中国人向けに不動産販売を手掛けている不動産会社USマネジメント(東京都豊島区)によると、投資目的で、東京23区内にある1億円前後のマンションに興味を示す上海の富裕層が最近増えているという。これらの富裕層はすでに中国国内に複数の不動産を保有しており、リスク分散のために日本での不動産投資を望んでいるもよう。
また、日本の不動産購入ブームで一役買っているのは、08年に大ヒットした中国映画「狙った恋の落とし方(原題「非誠勿擾」)」。映画の舞台となった北海道がその自然の美しい風景で中国人を魅了し、北海道で別荘を持つことが憧れの的となっている。
そこで、家具販売大手のニトリの子会社で広告業のニトリパブリックが、北海道・千歳市に中国人富裕層向けに別荘を建設しており、今月中にも完成するという。ニトリの家具、インテリア付きで、土地を含め3千万円台で、すでに4月に17棟すべてが完売した。同社によると、現在も100人ほどの富裕層から引き合いがあることから、第2期の建設計画を進めているという。
中国人富裕層が日本の不動産に目を向けた背景には、▼中国では土地は国有財産であり、70年でその「使用権」が切れること▼中国不動産バブルがいずれはじけるとの認識▼政治体制への不信感で、資産を海外に分散したいこと▼距離が近く、気軽に行き来できること▼日本の不動産価格の下落で、今は買い時との判断、などが挙げられる。
ただ、日本には投資移民ビザの制度がないため、日本で不動産を購入しても、いつでも来られるわけではない。こうした事情がブームへの一服の冷却剤になっているようだ。
一方、富裕層の一部は税金逃れのために日本の不動産に投資している。その中には、政府幹部らが不正に入手した資金を海外で蓄える手段として、日本の不動産に投資している場合もあるとの見方もある。