【大紀元日本7月24日】中国最大の黄金採掘場「紫金山銅鉱」で、7月3日に発生した9100トンの有毒廃水漏出事件の影響が拡大している。採掘場のある福建省上杭県を流れる汀江に流出した青酸ソーダや重金属を含む有毒汚水は、すでに下流の広東省に到達した。来週初め、汕頭(スワトウ)市を通って南シナ海に流入する見込み。水質の汚染を心配する汕頭市民は、ボトル入りの水を大量に買い溜めし始めている。
広東省の地方紙「南方都市報」によると、有毒汚水はすでに汀江から広東省にある韓江に流入。韓江は350万人口の広東省汕頭市の唯一の水源である。
汕頭市の水道局は、銅の汚染を中和する塩基を十分に用意したとして、水質への心配は不要と強調しているが、汚染を危惧する汕頭市民は、ボトル入りの水を買い溜めし始めている。
来週初め頃、廃水は汕頭市を経由して南シナ海に流入する見込み。
また、汀江流域にある広東省東北部の梅州地区では、汀江での漁が禁止された。地元政府は魚養殖業者に対し、魚の放流を促している。これに応じれば、業者は福建省から補償金を支給されるという。
一部のメディアは、梅州地区の水質調査では、銅の含有量が基準を超えていると報じている。それに対し、「福建日報」は福建省の関連政府機関の見解として、水質は基準に達しており、銅の含有量は減少し始めていると反駁した。
今回の大規模汚染事故は発生9日後に、福建省環境保護庁から公表された。発表時間の遅れについて、紫金山銅鉱のトップが、「公表する前、社会と株主に対して責任のある説明をしたかったから」と述べている。
事件公表後、福建省政府は、地元で死亡または中毒症にかかった魚は合わせて1890トンに達すると概算。同汚染事件を突発的で重大な環境汚染事件と認定し、事故の原因調査を進めている。豪雨の影響が当初推測された原因だったが、調査の結果、人為的な要素によることが判明した。