【大紀元日本7月26日】25日午後、中国南部の主要都市・広東省広州市で、1万人以上の市民が、繁華街の広場で、当局の広東語使用制限への抗議集会を行った。当局は千人以上の警察を動員し、警戒態勢を敷いた。海外中国語放送「希望の声」が報道している。
ことの発端は今月の始め、広東省政府がこれまで広東語をメインにしていた広州市のテレビ局の放送を共通語(北京語)放送に切り替える方針を打ち出したことにある。さらに、広州市内の一部の小中高でも、校内での広東語使用を禁止する動きが出ており、広東語を主要言語として親しんできた地元市民の大きな反発を招いた。
広東語がわからない中国のほかの地域の人々にとっても、
「言論無罪」と書かれたTシャツを着た参加者(ネット写真スクリーンショット)
広東語は特別な存在。香港発の流行歌を多くの中国人が広東語の発音を真似て覚えて来たものだ。今回の集会でも広東語による歌の合唱が行われ、地域文化の独自性と多様な文化の重要性を当局にアピールした。
集会は地下鉄江南西駅の出口付近の広場で行われた。参加した市民は文化の共存を訴え、「百花を咲かせよう、1本咲きはやめよう」とのスローガンを掲げた。集会では大きな騒ぎはなかったものの、千人以上の警察が動員され、警戒態勢の中、集会参加者を監視した。「言論無罪」や「言論自由」と書かれたTシャツを着た参加者を、何人かの警察が取り囲んで追跡するなど、参加者の行動は、厳しく監視・制限されたという。
広州市の弁護士・劉士輝氏は、公民権や政治権に関する国際公約27条を引用し、少数言語の話者が自らの文化や言語を守る権利があることを指摘した。広東語の使用者は1億人にのぼり、その使用権利は尊重・保護されるべきだと主張した。