【大紀元日本7月27日】広西チワン族自治区桂林市にある福星村。大勢のお年寄りや子どもらが村の周りに座り込み、建設機械が村に入るのを阻止しようとしている。
村の道路を遮断する子供たち(ネット投稿写真スクリーンショット)
6月以来、桂林市灌陽(かんよう)県の複数の村で見られるこの光景。目的は一つ、村周辺の水源地に政府がごみ処理場を建設する動きを止めること。合計1万人の村民たちは、陳情や抗議集会などを2ヶ月も続けて来た。
村の近くの山に大竹凹と呼ばれる小さな川がある。きれいな山の中を流れる浅い川であるが、豊富な地下水につながっており、付近の村民らが頼る唯一の水源地。昨年、政府は地元のゴミ処理場を水源地に最も近い福星村に移転するプロジェクトを始めた。
代々頼ってきた水源地の汚染を心配する福星村や付近の村の村民らが、このプロジェクトを阻止しようと、地元の県政府や、自治区政府、北京にまで陳情してきたが、政府の決定を阻止できなかった。
村民らの反対と同時進行しているのが、反対者の相次ぐ失踪と、警察などによる催涙ガス弾での鎮圧。
今年6月1日、600人もの公安や武装警察が出動する中、建設会社が福星村に突入して工事を強行しようとした。村の約百人の老人や女性たちが集団で土下座して、工事の実行を阻止した。
土下座する村民(ネット投稿写真スクリーンショット)
6月11日、村に入って反対者を逮捕した警察の行動に不満、複数の村から約1万人の村民らが集まり、警察と約4時間対峙した。警察が投げた催涙ガスに負け、村民らは現場から逃げた。
13歳の女児・王玥(オウゲツ)さんは、6月15点xun_ネ来、お父さんの姿を見かけることはなかった。7月11日、まだ寝ていた王玥さんは村の大人に起こされ、「お母さんに渡して」とある紙を渡された。「逮捕通知書」と書かれたこの紙で初めて、お父さんの行方が分かった。現地公安局が発行したもので、王さんのお父さんは桂林市拘留所に拘留されていた。
王玥さんのお父さんと同じ事態に遭遇した村民は14人もいるという。
政府の鎮圧が村民らの反発を更に招いた。多くの村民は田んぼの仕事を放置して、水源地へ続く道路に障害物を設置したり、チラシの配布やネット上で情報を流したりする活動を行っている。
ネット上で、「農民らを助けよう」と呼び掛けている(ネット投稿写真スクリーンショット)
なかには、死後のための棺桶を村の出入口に置き、機械の出入りを遮断しようとする80~90歳の老人たちもいた。
村民らの活動の結果、事件は一部の地方メディア紙で報道され、ネット上で世論の注目をあびるようになった。
逮捕された村民らは依然拘留されたまま。村民らはごみ処理場のプロジェクトが白紙になるまで抗議を続けるとメディアに表明している。
世論の力が政府への拘束力になるのか、今後が注目される事件である。