山東省で園児殺傷事件 少なくとも5人死亡 当局は情報規制

2010/08/05 更新: 2010/08/05

【大紀元日本8月5日】山東省淄博市内の幼稚園に3日午後、刃物男が侵入し、園児と教師を次々と刺し、3人の児童と2人の大人、計5人が死亡、12人が負傷する事件が起きた。4日朝の香港紙「星島日報」などが伝えた。

一方、この事件について、国営新華社は4日午後初めて報道したが、ほかの国内メディアでの報道は見られず、インターネット上に転載された関連記事や書き込みもほとんど削除されている。あるメディア関係者は「地元の共産党宣伝部から箝口令が来ている」と説明した。

同事件を検索したところ、関連記事のタイトルはあるものの、内容はほとんど削除されている(スクリーンショット)

地元情報によると、3日午後4時頃、3人の男(1人という説も)が淄博実験幼稚園に押し入り、教師2人を刺してから園児らに包丁を向けた。現場は血だらけで凄惨さを極めたという。

事件後、地元警察が現場を直ちに封鎖。駆けつけた親たちが震える我が子を抱きかかえたり、子供の姿がないと警察に状況を問いただし、泣きわめいたりと騒然とした様子だった。

事件が発生した幼稚園は地元で評判が高く、園児の多くは公務員の子供である。犯罪者の動機はまだ不明とされているが、官僚の腐敗となんらかの関連があると地元住民は推測している。

なお、犯人についての情報も錯綜しており、1人による犯行説、2人や3人説も飛び交っている。現場警察の話として、3人グループによる犯行で、その中の1人、27歳の地元男が自首したとの情報は有力とされる。

中国では今年3月、福建省南平市で、解職された外科医師が自宅近くの小学校の児童を襲い、8人が死亡した事件が起きていた。その後、広東省、江蘇省などでも児童襲撃事件が相次いだ。これらの事件の動機はほとんどが社会への不満。貧富の格差や幹部の汚職など様々な社会問題に不満を抱く一部の民衆が、弱者に矛先を向けたと専門家は指摘していた。

(翻訳編集・張YH)
関連特集: