【大紀元日本8月10日】米国弁護士協会は8月6日、行方不明となっている中国人権弁護士・高智晟氏に「国際人権弁護士賞」を授与した。同氏の娘が代理受賞した。
米国弁護士協会は米国最大の弁護士団体であり、40万人の弁護士が加盟、これまでに13人の弁護士が同賞を受賞した。
同協会のフィクフィルド委員長は、「高弁護士の人権保護の努力、人権への誓約を表彰するために、同賞を授与した。彼は中国および世界各地の弁護士に手本を示した」
世界各地から候補が推薦されている中、過去2年間中国の人権弁護士が置かれている際だった劣悪な環境を考え、中国状況に特別な関心を払うという点から、委員会は今回の決定を下したという。「彼の受賞は至極当然なことである」とフィクフィルド委員長は述べた。
高智晟弁護士を支援する組織「高智晟友の会」の張雪容会長は、受賞式に出席、同弁護士が受けている迫害の経緯を紹介し、同弁護士はかつて「中国にはまったく法制がない」と嘆いたと明らかにした。
張会長は、「幸いなことに、いま中国国内では、人権保護の声を上げる弁護士が徐々に増えるいる」と語った。
高智晟弁護士はこれまで、社会的弱者のために無料で弁護を引き受け、正義を追求したことで、中国全土に名を知られている。2005年から、中国当局に弾圧されている法輪功について、3度にわたり最高指導部に公開嘆願書を提出し、弾圧の違法性と残虐性を訴え、弾圧の停止を求めた。その後、中国当局は、同弁護士の法律事務所を強制閉鎖し、2006年には、「国家政権転覆扇動罪」の罪で、懲役3年執行猶予5年の判決を下した。
その後仮釈放されたが、獄中で受けた拷問の実態を公開し、中国人権問題への関心を呼びかける請願書を米政府に送ったため、去年2月に再び強制連行されて行方不明になった。
今年4月、胡錦濤・総書記が米国訪問する直前に、一旦姿を現わしAP通信の取材を受けたが、その後、再び行方不明になり現在に至っている。
高弁護士の長女・格格さんが受賞式に出席し、父親の代わりに代理受賞した。「父がこの受賞を知ったら、きっと喜ぶでしょう」と涙ながらに語った。
高弁護士の妻と長男、長女は2009年1月、中国国内からタイに脱出し、同年3月米国に入国した。いまは米国政府に難民として保護されている。