【大紀元日本8月13日】中国最大の写真コンテストである「全国撮影芸術展」の芸術部門で金賞を受賞した作品「明日の現実」は盗作の疑いが強いと、中国国内メディアが9日付で伝えた。
湖に立ちすくむ枯れ木。しかし、その木々の姿は既存の写真とそっくり。元となった写真を左右反転させ、鳥の写真を画像加工ソフトで湖面に散らせると、「明日の現実」が完成する。受賞者は湖南省のカメラマン、侯謝さん。盗作疑惑について、現在コンテスト主催者側が調査中だという。
盗作の疑いを指摘したのは、江蘇省鎮江市の広告会社経営者で省写真家協会会員の陳聯軍さん。同社職員と今年の受賞作品を鑑賞した際に、従業員の楊家輝さんが「どこかで見たことがある」と言って、会社にある素材画像集から瓜二つの元写真を見つけ出した。この写真集は10年前に陳さんが購入したもので、写真集そのものも「海賊版」であるため、元写真の作者は不明という。
「全国撮影芸術展」は中国で最大規模を誇る写真コンテストで、今年も18万点以上の作品が優劣を競った。ドキュメンタリー、芸術、コマーシャル、新人の4部門で、合わせて100点の作品が金・銀・銅賞に選ばれた。
写真の偽造は初めてのことではない。大胆な偽造は07年にも起きていた。陝西省の農民が絶滅したと思われていた野生の華南虎の撮影に「成功」したとして、世間を騒がせたが、後でねつ造写真と判明。さらに06年の中国中央テレビ(CCTV)が主催した「06年10大報道写真」で受賞した「青蔵鉄道とチベットカモシカ」が、フォトショップで合成した写真であることが明らかになり、受賞取り消しとなった。