【大紀元日本8月19日】中国東北部の遼寧省撫順県拉古郷で17日、飛行機が墜落した。新華社通信の最初の報道では、墜落した飛行機は「国籍不明の小型飛行機」と報じられたが、事故から丸1日たった18日午後、「現場の状況から判断して、北朝鮮の飛行機の可能性がある」と伝えた。その上、「パイロットは現場で死亡」「中国は現在、北朝鮮と連絡を取りあっている」としている。
政府系の報道と対照的に、インターネットでは早くから事故現場と見られる写真や目撃談が投稿されていた。香港メディアの鳳凰網が設置した特集ページに、ハンドルネーム「免疫」というユーザーの投稿で、墜落現場付近の住民が撮影したとみられる写真が掲載されている。また、中国のポータルサイト「鉄血ネット」
「鉄血ネット」に寄せられたパイロット1人脱出の情報
に、「パイロットは2人、1人は死亡、1人はパラシュートで脱出した」との目撃情報も寄せられている。
墜落現場は、遼寧省の省都・瀋陽市から東へ約30キロの農村地帯にあるトウモロコシ畑で、墜落機に炎上した
墜落現場(ネット写真)
形跡はない。機体の多くの部分は、墜落した際にかぶったと見られる土や瓦礫に覆われている。周辺で事故現場を片付けている住民も映し出されている。
写真で一番注目されるのは、墜落機の後部に映っているマーク。このマークは北朝鮮軍の所属を示すもので、新華社の報道の前から、北朝鮮軍用機の墜落事故であるとみられていた。
墜落機は旧ソ連が開発したミグ21で、炎上していないことから燃料切れが墜落の原因だと専門家は指摘している。
韓国の聯合ニュースは18日、戦闘機は、北朝鮮を脱出しロシアへ向かう途中、誤って中国へ入ったとの情報筋の見方を伝えている。しかし、ロシアも中国も北朝鮮の友好国で、脱北ならばまっすぐに韓国を目指すほうが自然であることから、訓練中に誤って中国に入り、燃料切れで墜落した可能性も指摘されている。
事故現場は北朝鮮の国境都市、空軍拠点のある新義州まで約200キロの地点で、戦闘機なら10分余の距離。聯合ニュースによると、北朝鮮戦闘機は近ごろ短距離訓練を中心に行っており、燃料不足のため、燃料を3分の2ほど入れ、約30分飛べる状態で訓練を行うのが慣例だという。
なお、中国のインターネットでは、国籍不明機を国境から約160キロも侵入させたことに対し、政府の防衛力の乏しさへの批判も飛び交っている。