【大紀元日本9月9日】中国民航局が08年~09年に行なった監督検査を通して、全国で200人以上のパイロットが、経歴を不実記載していることが最近判明した。中でも深セン航空会社が全国でも最も多い103人が不実記載していた。
先月24日に起きた黒龍江伊春市での飛行機墜落事故を受け、中国民航局は最近、全国の民用航空会社を召集して緊急電話会議を開いた。伊春墜落事故で管理を緩めてしまったことを教訓に、全業界で全面的な安全検査が行なわれるよう、当局は会議を通して要求した。
同会議で民航局の関係者が、全国200人以上のパイロットが、経歴に不実記載していることを明かした。
それによると、08年と10年に、中国でオリンピックや世界博覧会などの大規模なイベントが開催されたことに伴い、民間航空事業は12%から14%の成長を遂げた。パイロットの不足が深刻化したため、退役軍人か現役軍人のパイロットを民間航空会社に転用するケースが少なくない。
これらのパイロットが、小型爆撃機しか操縦したことがないのに、大型飛行機を操縦したことがあると経歴に記載したり、飛行時間が100時間しかないのに200時間以上の経験があると記載する場合がよく見られる。パイロットの供給不足により、航空会社はパイロットの資格と経歴の審査が、かなり甘くなっている。さらに高い報酬を求めて転職を繰り返すパイロットもおり、資格と経歴を確認することは難しくなっている。
中国民航局発行の『2009年中国民航パイロットの現状に関する調査報告書』によると、09年11月末の時点で、民航局が発行した「航空機操縦士許可書」の所有者は2万535人にのぼり、03年の1万人弱から急増している。
(翻訳編集・東山)